個人的名作レトロゲーム16

熱血硬派くにおくん(テクノスジャパン・1986)

 

 テクノスジャパンの代表作といえば「くにおくん」シリーズ。特にFCでは沢山の作品が登場しています。今回の「個人的名作」では、くにおくんシリーズの第一段「熱血硬派くにおくん(アーケード版)」を取り上げてみたいと思います。

 

待てっ、この野郎!!

 「熱血高校」に通う主人公「くにおくん」。 ある日、友人の「ヒロシ」がイジメにあっているではないか!! ダチがやられているのを見て黙ってはいられないと、くにおくんは奴らを〆に行くのだった。(死語が所々ある気がするのは気のせいです)

 操作系は「8方向+3ボタン」で、主人公「くにおくん」を操作します。 ボタンは3つ横に並んでおり、左のボタンは「左への攻撃」。右のボタンは「右への攻撃」。中央のボタンが「ジャンプ」です。この3つのボタンを上手く使って敵を倒します。
 攻撃は、くにおくんの向いている方向のボタン(右向きなら右のボタン。左向きなら左のボタン)で前へパンチ。逆のボタン(右向きなら左のボタン・・・・)で後ろへキック…と、同じボタンでも、くにおくんが向いている方向によって効果が変わるのがポイントです。

 一人の敵を短時間に一定回数攻撃すると一定時間行動不能な「前屈み状態」になります。「前屈み状態」の敵を更に攻撃するとダウンさせる事が出来ます。また、「前屈み状態」の敵に近づくと「襟掴み状態」に移行でき、そこから更に攻撃することができます。
 他に、ダウンしている敵の上でレバー下で「馬乗り状態」になり、敵を攻撃できます。敵に後ろを取られたとき「羽交締め」をされる事がありますが、これもボタン操作で切り抜ける事が出来ます。
 単純操作で様々なアクションができるのもこのゲームの特徴ではないでしょうか。

下に、くにおくんの技一覧を挙げてみました。「(「前ボタン」はくにおくんが向いている方向のボタン、後ボタンはくにおくんの向きと反対方向のボタン)

  前ボタン 後ボタン レバー操作
通常時 前へパンチ 後ろへキック ・移動
・左か右2回でダッシュ
襟掴み状態 掴んだ敵に膝蹴り 敵を後ろに投げる なし
馬乗り状態 ダウンした敵を殴る なし ・レバー上で馬乗り解除
羽交締めされたとき 前蹴り 羽交締めを解く なし
ジャンプ中 前へジャンプキック 後ろへジャンプキック なし
ダッシュ中 ダッシュパンチ なし レバー逆で止まる

 

 画面中央上にある黄色のゲージがくにおくんの体力ゲージです。0になると1ミスですが、このゲームの特徴として体力が0になってもダウンしなければ、アウトにならないのです。逆にいえば、ダウンしない技を食らい続けてもミスにならないというわけです。 勿論敵も同じで、ダウンさせなければ倒した事にはなりません。
 ステージの時間以内にボスを倒せばクリアですが、体力が0でダウンするか時間切れで1ミス。残機が0でゲームオーバーです。

 

1面:りき

 1面は「花園高校」の番長「りき」とその舎弟。(ちなみに「りき」はこの作品以降、数多くのくにおくんシリーズに「くにお」のライバルとして登場)
ステージは駅のホームで、画面の右端のホームから転落すると強制的にミスになりますが、敵を転落させると一撃で倒す事が出来るので、時間の節約に使えます。
 雑魚の中でハゲの攻撃(棒で殴る)は、食らうと一撃でダウンしてしまうのでコイツを優先的に倒しましょう。棒のダメージは小さくても、いちいちダウンしてしまうと時間が勿体無いです。
 この面は、余り難しくないので、ここで基本を覚えておきましょう。
 雑魚が残り3人になると、ボス『りき』が登場します。真正面から殴り合っても不利なので、真正面からの殴り合いは避け、ジャンプキックで攻撃しましょう。ジャンプキック2発でボスをダウンさせる事が出来ます。体力の多いときにボスに対して馬乗りをすると弾き飛ばされますが、体力が2ゲージ以下の場合は弾き飛ばされないので、そのまま馬乗りパンチで倒せます。

 

2面:しんじ

 2面は暴走族のリーダー「しんじ」達と、港での戦いです。画面左端の海は駅のホーム同様、転落すると、即アウトです。
 まず、最初はバイクに乗った敵が相手です。ステージ最上段なら軸をずらされにくいので、ここで対処しましょう。ジャンプキックで倒すのが基本ですが、後ろから来るバイクは『少し早めに後ろ蹴り』の方が当て易いので、狙える状態ならこちらを使っておきましょう。バイクは通常2台いっぺんに襲いかかってきますので、どうしても、多少のダメージを食らうことになりますが、食らい過ぎると後がきつくなります。
 バイクを全滅させると、次は雑魚が相手。1面同様、棒を持った敵を先に倒して起きましょう。バイクで時間を潰し過ぎた場合は、左端のほうで戦い、隙を見てドンドン敵を海に落としましょう。2ボスの「しんじ」は基本的には「りき」と同じです。

 

3面:みすず

 3面はスケバン(って死語ですか?)共が相手。このステージは1面の駅のホームの様に敵を落として倒せないので自力で倒しましょう。また、雑魚の攻撃は(1,2面の棒攻撃と同様に)全て一撃でダウンしてしまう為、食らい過ぎて時間切れにならない様に気をつけましょう。
 雑魚2種類のうち、白い方はどんな技でもいいからダウンさせると倒す事が出来ます。ダッシュパンチや投げの巻き込みでも倒せるので、後で倒しましょう。(「みすず」が出てきたときに雑魚が残っていると苦戦するので、倒しやすい白雑魚は残した方が良い。)

「対みすず」は、コツが掴めないとかなり苦戦します。

1.雑魚が残っている場合
 無理矢理でも雑魚を全滅させましょう。白雑魚ならダッシュパンチかボスが離れている隙にパンチ3発で倒す。紺色雑魚が残っている場合は、まずみすずをダウンさせ(ダウンさせる方法は後述)、その隙に攻撃しましょう。とにかく雑魚が居ると面倒です。

2.雑魚が居なくなった場合
 まず、みすずをダウンさせましょう。ダウンさせたら、縦軸を合わせたままみすずから距離を取りましょう。みすずは起きあがってこちらにダッシュしてきますので、「カウンターでジャンプキック」これの繰り返しで倒せます。また、体力が2ゲージ以下のときは馬乗りパンチが出来ますので、これで止めを刺しておきましょう。

 

・みすずをダウンさせる

 まず、「みすず」と縦軸・横軸ともにズレた位置へ移動しましょう。(下図1参照)
以下、(くにお:白い四角形)(みずす:赤い四角形)とします。


図1

そして、「みすず」と横軸を合わせる方向に移動すると、「みすず」は「くにお」との間隔を保ったまま、「くにお」と同じ方向に移動します。(下図2参照) この移動により、背中に充分なスペースを作ります。 ※このとき上下には移動しない事


図2

背中に充分なスペースが出来たら、今度はさっきと反対方向に移動しましょう。「みすず」はくにおと縦軸を合わせてきます。(下図3参照)


図3

縦軸が合ったら、「みすず」の居ない方向へダッシュします。「くにお」との間隔が広がると「みすず」はダッシュで追い掛けてきます。(下図4参照)


図4

縦軸がきちんと合っていたら、後ろ攻撃ボタンを連打(上図の場合は左ボタン)。カウンターで後ろ蹴りがヒットし、「みすず」はダウンします。縦軸がずれていた(キックが空振り)時は、すぐにさっきと反対方向にダッシュして再び後ろ蹴り・・・。

「みすず」をダウンさせた隙に雑魚を始末しましょう。雑魚を始末した後は、同じ方法で、「みすず」をダウンさせ、縦軸を合わせたまま距離を取り、「みすず」のダッシュにカウンターでジャンプキックを当て続ければ、何とかなります。

 

4面:さぶ

 4面はヤ○ザの襲撃に遭ったヒロシの為に事務所まで殴り込みです。友人の為とはいえ、本当に命知らずです。
雑魚の攻撃はドス攻撃のみですが、食らうと即アウトなので危険極まりないです。
 最初は入り口にいる雑魚4匹。普通に殴りに行くよりはダッシュパンチで攻撃しましょう。ただし、余り近い間合いからダッシュパンチをするとカウンターのドスを食らって即アウトです。
 また、ダッシュパンチをする場合は、できるだけステージ下のほうでやりましょう。 ダッシュパンチをした場合、自分の近くに敵がダウンするので、画面下の方へ移動しようとレバーを下に入れると、下へ移動せずにダウンした敵に馬乗りになります。つまり下へ移動できなくなりますので、ステージ上の方でダッシュパンチをすると逃げ場が無くなる事があります。

 ドス雑魚を倒すと、いよいよ建物内でのバトルです。入り口すぐのドアからボスの「さぶ」が登場します。さぶは、縦軸が合うと、拳銃で攻撃してきます、これも即アウトです。 また、「さぶ」は前蹴りをしてきますが、こちらは即アウトではない変わりに雑魚の攻撃を食らいやすいので、即アウトに近いでしょう・・・。

 攻略法というわけではないですが、「さぶ」が出てくるドアの前でパンチ連打と言う方法がありますが、雑魚3匹の機嫌次第で余り安定しません。(たまに、「さぶ」がやられるまで、下のほうでウロウロし続けてくれる場合がある・・・)
 隙を見つけてジャンプキックを地道に当てていくのがいいと思いますが、とにかく一発即アウトなので、敵の攻撃範囲を考慮しながら対処して行くしかないです。(雑魚3匹が早めに倒せれば楽なのですが・・・。)

 

 ・・・「さぶ」を倒すと1周クリアになります。再び1面に戻ります。(ボスの体力や残時間がきつくなる)

 

このゲームのポイント+α?

 「りき」・「しんじ」・「さぶ」に有効です。 こいつらはジャンプキックを1回当てると、前屈み状態になり、そのときにもう1回ジャンプキックを当てるとダウンします。ボスは前屈み常態の継続時間がやや短いので、このときは襟掴みには持って行けませんが、前屈み状態で前パンチを当てると前屈み状態が継続され、ボスに対して襟掴みができます。 襟掴みから膝蹴り連打はボスの体力を大幅に減らす事が出来、時間が足りなくなってくる2週目以降ではかなり役立つ技になると思います。(というかこの技を初めて知った時は驚いた)

 「対みすず」のときに書いた「縦軸が合ったときにボスと反対方向へダッシュ→後ろ蹴り」は「りき」・「しんじ」にも有効です(「さぶ」はダッシュできない)。 雑魚を処理したいが、『雑魚を倒そうとしてもボスが邪魔』な時に楽にボスをダウンさせる事が出来るので憶えて損は無いと思います。

 余談ですが、ネームエントリーは5文字まで入力できますが、このとき連続した4文字が「お○○こ」(一応、伏字)だと「なめるなよ」に変換されてしまいます。まぁ英字3文字で「S○○」と入れると変換される事が多いのと同じでしょうか・・・。

 

名作が多かったけど・・・

 「エキサイティングアワー」や「ダブルドラゴン」といい、当時のテクノスジャパンは多彩なアクションを少ない操作系で実現させるような作品が多かったと思います。「熱血硬派くにおくん」も、1対多の喧嘩のアクションを「1レバー+3ボタン」だけで充分過ぎるほど表せているのではないでしょうか。 それだけに『テクノス倒産』のニュースはかなりショックでした。
 その後、「くにおくん」シリーズは、「熱血高校ドッジボール部(1986)」が登場し、それ以降は家庭用で多くのシリーズが登場しました。 ですが、やはりアクションゲームの見た目や出来としては、「熱血硬派くにおくん」が一番だと思っています。

 

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