今回は2作品を同時に紹介します。UPLの「忍者君 〜魔城の冒険〜」とジャレコの「忍者じゃじゃ丸君(FC)」です。(作成した会社は異なれど、二人は兄弟という設定の「忍者君」と「じゃじゃ丸君」・・・有る意味珍しい設定な気がする。)
「忍者君 〜魔城の冒険〜」(以下「忍者君」)は、敵全滅クリア型のアクションゲームです。1ステージは縦3〜4画面程の広さで、石垣や城をジャンプで登りながら敵を倒していきます。
プレイヤーは2頭身のコミカルな赤い忍者(忍者君)を操作して、敵を倒して行きます。
操作系は「1レバー(4方向)+2ボタン」で、AボタンがジャンプでBボタンが手裏剣を投げて敵を攻撃します。
ジャンプは、ボタンを押す長さによって高さが2段階に変化し、使い分けも重要です。作品の登場が1984年ながら、これは当時としては中々目新しい機能でした。 また、ジャンプ中に歩いている敵に体当たりをすると、敵を一定時間だけ気絶させる事が出来ます。手裏剣は連射が効かず飛距離も短いので、敵を倒す時は必要なテクニックです。
敵は各ステージ8匹。必ず親分1匹と子分7匹の構成になっており、「親分」に相当する敵は少し手強くなっています。(誰が親分なのかは、見た目では分からないが、ステージによって決まっている)
ステージクリアの条件は「敵を全て倒す」というお決まりのパターンですが、ミスの条件は「敵の武器に当った」ときのみで、敵に体当たりしてもミスになりません。 当時のアクションゲームは「ミス=敵とぶつかる」が殆どだっただけに、このゲームはかなり特殊な特徴を持っていたのではないかと思います。
また、このゲームにはボーナス点が数多く存在し、効率良くスコアを集めるのもひとつの楽しみと言えるでしょう。ここではボーナス点について説明します。
敵を倒すと「巻物」を落とします。ステージクリア時には「集めた巻物の数」だけボーナス点が追加されます。しかし8本の「巻物」の中には必ず1つずつ「姫」と「坊主」があり、「姫」の巻物を取ると集めた巻き物の数が2倍(0個のときは0個のまま)になりますが、「坊主」を引くと巻物の数が強制的に0になります。 たかだかスコアだけですが、どれを「坊主の巻物」かを予測しながら回収するのが、密かに熱かったりします。
ルールが単純でとっつきやすいだけでなく、当時にしては、ボーナス点がなかなかテクニカルに作られている秀作だと思います。武器の性能が敵よりも劣る為、真正面からではなく敵の隙をつくのが攻略のポイントである辺りが何となく忍者っぽいのでは・・・と勝手に思ったりしています。
このゲームに登場する敵キャラは9種類(+永パ防止)。個性が在り過ぎるキャラクター達です。
黒子 | 黒い忍者です。手裏剣を投げてきます。最初の敵だけあって雑魚です。 このゲームで敵と武器を撃ち合って唯一有利な敵キャラです。 (というか、普通武器を撃ち合うことはないけど・・・) |
ダルマ | 鎌を投げてきます。斜めにも飛ばせる為、縦軸をずらしていても注意が 必要。また、武器を撃ち合うと勝てないので、真正面も危険です。 |
カブキ | 爆弾を投げつけてきます。放物線を描き、自分の近くで爆発します。 中途半端に距離を取ると危険です。 |
カミナリ小僧 | 武器のカミナリは連射とスピードが優れていて、真正面は危険です。 ジャンプ中に打たれる事も多いので、例え子分でも油断は禁物です。 |
獅子舞 | 武器の炎は一度発射されるとステージクリアかミスになるまで ステージに残り続け、邪魔になります。こいつが出てくる面が1つの難所。 |
ガイコツ | 剣を投げてきます。武器は「カミナリ小僧」と同様に連射とスピードが 優れている上、画面端まで届くので、縦軸が合ったときは危険です。 |
トカゲ | 武器は炎ですが、「獅子舞」と異なり、波形を描く様にゆっくりと 漂い続けるので、対応しづらく厄介な敵です。 |
ヨロイ | 弓矢で攻撃してきます。武器の性能はガイコツと同じだが、 気絶中でないと倒せないのが特徴。こいつが7匹の面はかなりの難関。 |
火の玉 | 永パ防止キャラです。タイム切れ又は一定時間同じ階層に居続けると 登場します。倒せません。 |
「忍者じゃじゃ丸君」(以下、「じゃじゃ丸君」)は、「忍者君」のシステムを踏襲した作品で1985年にファミコン用ソフトとしてジャレコから登場しました。(余談ですが、「忍者君」のFC版への移植はジャレコが行った)
ルールは「忍者君」同様、8匹の敵を手裏剣で倒して行くゲームです。
「なまず太夫」にさらわれた「さくら姫」を助ける為に「じゃじゃ丸君」が(たまたま不在だった兄「忍者君」の代わりに)妖怪と闘うというストーリーです。操作系に関しては「忍者君」とほぼ同じなので割愛します。
ステージは4階構成になっており、各階に2匹ずつ敵が居ます。(親分は必ず4階にいる)じゃじゃ丸君は床を付きぬけてジャンプをする事はできませんが、各階所々にあるブロックを頭突きすることによりブロックを壊す事が出来、そこに出来た穴から上下階の移動が行えます。
また、ブロックを壊すとたまにアイテムが出てきます。触るとミスになる爆弾以外は一応有効アイテムです。各アイテムが出現中に他のブロックを壊すとアイテムが消えてしまいます。(爆弾を消す以外には使わないテクニックですかね。)
大判・小判 | 得点アイテムです。 小判は500点、大判は1000点。 |
爆弾 | 触るとミスになります。 3キャラ分の穴の中央に出現した場合、左右の隙間を抜ける事は可能。 (そんな事する前に消すべきだと思うが・・・) |
スーパー手裏剣 | 一定時間、手裏剣の飛距離が延びます。 しかし、連射は効かないままなので、そんなに得ではない。 |
赤玉 | 一定時間、じゃじゃ丸君のスピード、手裏剣の飛距離がアップします。 取っても、特別使えるわけでもない。 |
薬 | 一定時間、無敵になります。 そこそこは役に立つが、無敵中は敵に体当たりできなくなる為、 気絶させないと倒せない敵がいる面ではタイムロスにしかならない。 |
トロッコ | 一定時間無敵になる上、体当たりで敵を倒す事が出来ます。 他と比べるとありがた過ぎるアイテム。 |
小丸君 | 残機表示のようなアイテム。1UPします。 |
爆弾と大判と小判以外の5種類は「各面必ず、その内のどれか1つが1個だけ出現します」
「スーパー手裏剣・赤玉・薬・トロッコのうち3種類を集める」と「ガマパックンの術」が使えます。巨大なガマガエルが登場し、敵を全部食べてくれます(クリア確定)。また、「ステージの途中で残機数が4人になったとき」も発生します。
運が良ければ3〜5面くらいに1回出るので、アイテム探しはある程度重要かもしれません。
「じゃじゃ丸君」も「忍者君」同様、様々なボーナスが存在します。
「忍者君」での「巻物」に相当するのが「たましい」。妖怪を倒すとその場所からたましいが上へと上がって行きます。 回収すると点数が入ります。また、「忍者君」で言う「姫」や「坊主」が無いので、基本的には余裕があれば回収しましょう。
「忍者君」での「ストレンジボール」に相当するのが「桜の花弁」。残タイム「84」で「さくら姫」が画面上部から投げてきます。3枚集めるとボーナス面です。
また、「手裏剣8発以内でクリア」したとき、クリア後に10000点入ります。「以内」とあるのは、手裏剣を使わなくても敵を倒す「トロッコ」と「ガマパックンの術」が有る為です。 敵の追い討ちの1000点もあります。
その他に隠しボーナスとして「7面の最上段右側でさくら姫を頭突きする」となぜか275000点入ります。ですが、1UPは2万点と5万点のみで、7面までなら大抵5万点くらいは有る筈なので、存在意義が微妙なボーナス点・・・。ちなみに655350点でカンスト(0点に戻る)ですのでカンストスコアの4割近くが一気に入ります。
「じゃじゃ丸君」に登場する敵キャラは7種類(+永パ防止)。敵は基本的には一直線に飛ぶ武器しか使わないので、攻撃に関して言えば、「忍者君」程個性は強くないかもしれませんが、見た目は結構個性的かな・・・?
おゆき | 最初に登場する雪女。 |
くろべえ | 烏のような妖怪。そこそこ積極的に武器を投げてくる。 |
カラカッサ | 傘の妖怪。ひっきりなしにジャンプする。 |
ヘドボン | 骸骨の妖怪。攻撃的になったときが少し厄介。 |
ピン坊 | 一つ目小僧。何故か気絶中でないと倒せない。 |
カクタン | ぬりかべ。こいつも気絶中でないと倒せない上、攻撃的。 |
なまず太夫 | 妖怪達のボス。中盤以降、タイムが70を切ると画面上部から爆弾を 投げて邪魔してくるが、倒すことは出来ないので中盤以降は速攻で クリアしないと危険。 ボーナス面では火の玉を投下してくる。こちらは倒す事が出来る。 |
火の玉 | 永パ防止キャラです。タイム切れ等で登場します。倒せません。 |
ちなみに、この「じゃじゃ丸君」はアーケード版が任天堂のVS筐体で登場しています。
ゲーム内容はFC版とほぼ同じですが、「おゆき」が頭に皿を乗せた「皿女」になっています。
また、「ピン坊」が「百目」になっています。(何で変更されたのかは不明です)
単純にルールが分かりやすく簡単にプレイできるゲームと言う点で結構好きなゲームです。しかし、昔、私はどんな敵にも正面から武器を撃ち合っていましたので、全然クリアできませんでした。『難しいゲーム』と思っていましたが、後に効率良い敵の倒し方を知ってからは、楽しめるようになりました。基本的な攻略法を知っておけば、どんなゲームもある程度は楽しめる事を教えてくれたゲームなのかもしれません。
ちなみに「忍者君」は先程書きましたが、FC版はジャレコから発売されました。FCでありながら「獅子舞とガイコツとトカゲがいない」点を除けば、かなり良く出来ていたのではないかと思います。
(もっとも、FC版に獅子舞がいたら『キャラクター多数による処理落ち』していると思う…)
「忍者君」は後に続編としてUPLから「忍者君 〜阿修羅の章〜」が登場しました。基本的なルールはそのままだが、こちらはジャンプアクションゲームに近く、『広いステージを敵を倒して進みながら、ゴールを目指す』タイプのゲームになっています。新アクションが追加され、『三角飛びの様に壁を蹴ってジャンプ』や『壁をよじ登る』ことも可能になり、様々なテクニックが要求されるゲームになっています。
「じゃじゃ丸君」の後にジャレコから「じゃじゃ丸の大冒険」が登場しました。こちらもゴールを目指すジャンプアクションですが、壁を壊してアイテムを探す等、前作の雰囲気も残っています。 また、これ以降も「じゃじゃ丸君」シリーズは何作かRPGとして続編が出ていますが、紹介は省略。