ペンタウァの歴史書「ソーサリアン」

ドラゴンスレイヤーシリーズ5作目は「ソーサリアン」(1987〜1990)・・・・。私にとっては

間違い無く「生涯最高のRPG」です。

「ソーサリアン」とは、「ペンタウァ」(ゲームの中心になる町)の危険を顧みない冒険者達の物語です。
私の表現力では表現しきれないくらいのゲームですが、何とか少しでもあの世界を再現する文章にして行きたいと思います。
(ちなみに、私のプレイした「PC-9801」版の話がメインとなります)

ちなみに現在ウィンドウズ版に移植されていますので、機会があったら是非触って欲しいです。

 

ペンタウァに時が流れ出す・・・・。

 このゲームは特徴といいますか、既存のRPGとは大きく異なったシステムばかりで、何から語って良いのやら・・・・。
 ゲームの流れは、フィールド型RPGと異なり、「シナリオ」と呼ばれるショートストーリーにいくつか挑んで行き、最終的にラスボスを倒す。という感じになっています。
 ショートストーリーは、だいたい30分〜1時間位のもので、15作品あります。各ストーリーは全く関連は無く、冒険する場所も全く別ですが、1作1作が丁寧に作られ、それぞれの作品が1つの世界を作っていると言える程の物です。ストーリーだけでなく、グラフィックや音楽も当時としては、至高の作品と思っています。
 しかも、面白いのは、「時間の概念」があることです。ショートストーリーをプレイするとゲーム上で「1年」経過してしまいます。勿論、主人公たちも年を取っていきます。年を取ると主人公達のグラフィックも変化していきますが、この辺りの作りこみ様も独創的だったと思っています。
 「時間」はショートストーリーへの冒険だけでなく、町の道場での訓練やアイテムに魔法をかけてもらうときにも必要です。時間を大事にしないと折角育てたキャラに寿命が来てしまいます。(寿命が来ると2世に引き継ぐ事はできますが、)冒険中の死亡と違い、復活ができないのです。
 でも、ご心配なく、このゲームには「年齢を取らなくなる裏技」があります。(はぁ、羨ましい・・・)

 紹介が遅くなりましたが、主人公は「人間(ファイター・ウィザード)」・「ドワーフ」・「エルフ」から選べます。種族による違いは先ほど書いた「寿命」と「初期パラメータ」と「一部のストーリー」です。
 また、各ショートストーリーは、1〜4人の冒険者で冒険をする事ができますので、基本的には(見た目的にも)全種類作ってみるのが良いでしょう。

度々の旅?

 ゲームのメインとなる冒険は、先ほど書いたように、1〜4人でパーティーを組んで挑みます。構成は横スクロールアクションとなっていますが、ステージの構成はやや複雑に作られていますが、難しい操作は全く必要がありません。
 敵への攻撃も「剣ボタン」と「魔法ボタン」の2つだけの上、レベルがある程度あれば殆ど苦になりません。
どのシナリオも単純に謎解きに挑むことが重点になっています。

ただ、謎解きは、結構難しい・・・ものがありました。(当時のゲーム雑誌のゲームQ&Aにも、ソーサリアン関係の質問がかなり多かった)
スイッチの入れ方によりステージの構成が変化する洞窟や、注意深く画面を見ないと気づかない仕掛け等・・・書ききれない(←思い出せない?)位、それぞれの「シナリオ」は変化に富んでいたものでした。
ここに書いても分からない方が殆どですが・・・、例えば、こんな暗号がありました。

「日の落ちるところより天1つ、地3つ」(「盗賊達の塔」より)

「にんはら なの じんふ」・「ほのしの か  めおめ」(「暗黒の魔道士」より)

(短冊にかかれた3つの句・・・・)
「きみがため きよきはなおば つみとらん けしきよくあり あはれなるかな」
「あさぼらけ まつのはやしに ほととぎす けふのそらより にはにおちたり」
「いまはただ まだみぬひとを ほれぼれと おもいよせらん こころにちかし」(追加シナリオ「徳川家康の章」より)

(謎解きは暗号だけではありませんが、文章で表現となると・・・・。)

 それと、ゲームのVGMが当時としては物凄く出来がよかったですね。15作品のVGMは、ただ「シナリオの雰囲気にぴったりだった」というだけでなく、今でも印象に残るくらいものでありました。名作を支えた名曲揃いといっても良いでしょう。
 残念ながらCD関係は入手困難の様です。機会があったら再現してみたいのですが・・・・、いつのことやら・・・・。

 

ファンが支えたソーサリアン

 「ソーサリアン」の「シナリオ」は15作品と書きましたが、後に追加シナリオが発売され、益々ソーサリアンの世界が広がって行きました。戦国時代の日本を旅する「戦国ソーサリアン」などがありますが、特に凄かったのは「シナリオ」を一般公募した「セレクテッドソーサリアン」という作品が作られたことです。
 数千通を越える応募から選ばれた作品だけあって、個性溢れる作品ばかりでした。わずか10作品だけでしたが、冒険を超えたストーリなどもあり、まさに開発者とユーザが作ったゲームでありました。

 

じっくり遊べた・・・?

 もっと書きたいこともありますが、相変わらずの表現力ではクドイ一方ですので、この辺で・・・・。
 いろいろ変わった仕組みのRPGでしたが、このゲームの難点(?)とも言えるのが「魔法」でした。魔法はレベルアップで憶える物ではなく、所持アイテムに魔法を掛けてもらい、それを冒険中に使用する形になっています。
 ですが、問題は「魔法」の作り方・・・。アイテムにはそれぞれ「火星」「水星」「木星」「月」「太陽」「金星」「土星」の7つの魔力があり、その組み合わせで決まるのです。(例えば、体力回復魔法は「木星」と「金星」の魔力のみが掛かっているアイテムを使用することにより使える)
 7つの魔力はペンタウァの町で掛けてもらえるのですが、魔力にも相性があり、簡単には上手く行きません。
(例えば、アイテムに「水星」→「木星」と掛けるのと「木星」→「水星」と掛けるのでは結果が違う)
私は、魔法がもっと簡単だったらとっつき易かったのかもしれません。(初期PC版ではお金で買うこともできましたが・・・)

ですが、最近のRPGとは一風変わったRPGを体験できる作品と思います。興味がありましたら是非!!!
最近ではウィンドウズ版に移植されていますが、こちらは追加シナリオは未発売です。追加シナリオは出てくれないのでしょうか・・・。

 

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