天才達が作った天災?「ザナドゥ&シナリオ2」

 誰もが聞いたことがある「ザナドゥ」(頭に「ファ」を付けるのはここでは禁止)。これこそ名作といえる作品かもしれません。

私にとっては「冒険RPGとしては、究極の作品」と考えています。

 だいたい、未知の世界に冒険するのに「話が上手く行きすぎるRPG」とか「殆どの敵=雑魚」とかおかしくないですか?
主人公が天下の天才・奇才ならまだしも、未知の世界に挑むのに、失敗する可能性が(殆ど)ありえないのは妙だと思います。

 確かに、最近の傾向では「理不尽に難しいゲーム=クソゲー」扱いされるのですからね・・・。隠れた意図を探すプレイヤーが減ったのか、ゲームバランスを考えないクリエイターが増えたのか定かではありませんが、こういう最近の体系ではザナドゥを越える冒険RPGって殆ど作られないと思いますね。ユーザーにフレンドリー過ぎるものばかりで・・・・。

 

一寸先は闇。これこそが未知の土地への冒険

 「ザナドゥ」はフィールド型のアクションRPGでキングドラゴン「ガルシス」を探して倒す事が目的です。「レベル」と呼ばれる10個の世界を冒険していきます。
(注:世界をあらわす「レベル」と強さを表す「レベル」を混同しない様に、前者を「世界」・後者を「レベル」と表記します。)

 さて、「話が上手く行きすぎるRPG」はおかしいと申しましたが、「ザナドゥ」はすんなり進めないのでしょうか・・・? 簡単には先に進めませんが、それは、「ザナドゥ」が「ゲームバランスが悪い」のではなく「油断大敵」だからなのです。
 モンスターへの攻撃は「体当たり」(魔法もありますが・・・)で行います。「油断大敵」と書きましたが、別に序盤の敵が極端に強い訳ではありません。(しかし、側面や背後から攻撃を食らい続けると危険です。)

 

真の敵は・・・・お金?

 それ以上に「油断大敵」なのが、「各世界に存在する敵の数が有限」なのです。つまり、敵が有限→得られるお金が有限なのです。このゲームは、「ゲーム中は常に消費する食料」と「扉を開ける鍵」という消耗品が存在するため、最近のRPGの様にお金がたまったら1ランク上の武器・防具・・・・と、無計画に武器・防具・魔法(このゲームの魔法は購入するもの)にお金をかける訳にはいかないのです。特に序盤に無駄遣いをしてしまうと、お金が無いのに食料と鍵が不足し、最悪の場合

「続行不可能→最初からやり直すしかない」

という状況もありえてしまうのです。使いすぎにご注意、ご利用は計画的に・・・・。
 つまり、「弱い武器のままで進まなければならない」のですが、この辺はきちんと考えられて作られています。それぞれのアイテムには「熟練度」というものが存在し、使用する度に使い慣れ、アイテムの効果が上がるのです。つまり、1ランク上の武器・防具・魔法に切り替える必要は殆ど無いのです。

 敵の数が有限という事は、勿論、経験値も有限です・・・・・が、だいたい各世界にいるモンスターの8〜9割を倒せば次の世界でも闘えるレベルになるし、世界を探検すれば敵との遭遇も頻繁に起こるので、別に敵を探して無駄にフィールドを歩き回る必要が殆ど無いのです。また、戦闘もテンポが良いく、余り苦にならないようになっています。

 ただし、キャラクターのレベルは「ファイターレベル」と「ウィザードレベル」と2種類あり、前者は「剣で敵を倒して得た経験値」、後者は「魔法で敵を倒して得た経験値」によって上がるため、経験値の分配には気を使う必要があります

 しかし、レベルを上げると鍵の値段が上がる為、経験値を貯めたからといってレベルを上げてばかりいると、お金がつらくなります。レベルは「一定の経験値を貯めて『教会』へ行く」ことにより上がりますので、ときには教会へ行かずに2〜3レベル分貯めることも必要です。

新世界・・・・

 まぁ、何かこのゲームの難しいところばかり言ってしまい、全然紹介文になっていませんが、ザナドゥの魅力の1つに「新しい世界」と「そのマップの仕組み」を見るというのでしょうか、未知への冒険を楽しい物にしてくれるデザイナーの方々のセンスの良さでしょうか。2段ジャンプを駆使して世界の隅々を探検して行くのですが、操作も複雑な物ではありませんし、アイテムが非常に便利で、難しいテクニックを知らなくても、攻略が簡単にできます。

 それと、不安混じりで「未知のモンスター」に挑む(後半では、自分が弱ければいきなりベラボーなダメージを与える敵もいる)ことでしょうか。 
 主人公は未知の世界を無事捜索しきれるのだろうか・・・・。

 ちょっと紹介が遅れましたが、ゲーム中に「デカキャラ」と呼ばれるボスキャラとのバトルも特徴の1つです。当時のRPGではボスキャラという概念は、かなり珍しいと思います。
また、ラスボスに会う前にラスボス専用武器『ドラゴンスレイヤー』を見つけないといけません。これは、ラスボスを倒すのに必要ですが、雑魚相手には効果が低い武器です。(こういう概念も珍しい・・・)

こうして、様々な試練を乗り越えてキングドラゴン「ガルシス」を倒すのです。

 

それで・・・?

 文章ばかりで見にくくて申し訳御座いません。色々語りたいのですが、これ以上マニアックになってもしょうがないし・・・・。
詳しくは、移植作(現在入手の可能性が高いのはセガサターン版「ファルコムクラシック」、ウィンドウズ版「ザナドゥ」)
触ってみては如何でしょうか?

 とにかく、私の表現力では表しきれない何かを体験できるかもしれません。ですが、今のRPGから見れば、結構地味かもしれませんね。とにかく似たような「チマチマ」したプレイがずっと続きますから・・・。特にマッピングは必須かもしれませんので、これが嫌いな方は・・・・つらいでしょうね。
 ですが、私のお気に入りRPGの5本指に入り続けるでしょう。

 

おまけ

 当時こんな裏技がありました。(ゲームをプレイした人にしか分からない表現ですが・・・・)

  1. 最初のトレーニングフィールドでお金を500G残して魔法のアイテムショップへ行き、所持品全てを売った後、「ブラックオニキス×8」「アワーグラス」「マントル」「ランプ」「ファイアークリスタル×5」を購入しレベル1へ行く。
  2. 「ブラックオニキス」を8回使ってレベル9へ行く。
  3. タワーに入る前に「ファイアークリスタル」以外の3つを使う。
  4. タワー内を捜索し、落ちている武器・鎧・盾を回収する。
  5. 9→8→7は自力で戻り「ファイアークリスタル」でレベル2まで戻り、2→1も自力で戻る。
  6. レベル1なのに、装備が強力なものになり、楽に進める。

 簡単に解説すると、後半の世界へワープし、そこにある強力な装備を拾ってもとに戻れば、いきなり後半の装備になると言う訳です。中盤まで1回もダメージを受けません。
 注意点は、トレーニングフィールドで「CHRを100にする」ことと「出きる限り、自力で前の世界に戻る」ことでしょう。
(上記「5」以外のレベルも出きる限り自力で戻り、セーブ用の「ファイアークリスタル」を残す方が良いでしょう)

 でも、これをやると、本当にゲームがチマチマしたものになるだけかもしれません・・・。クリア時間が表示されるサターン版むけでしょうか・・・・。

 

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