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GARNET WORLD
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リンク先です! 記事タイトル等
#89 「君を飾る花を咲かそう」インタビュー
#84 「僕らだけの未来」インタビュー
#81 3rdアルバムインタビュー
#80 「君という光」インタビュー
#78 「泣けない夜も 泣かない朝も」インタビュー
#73 ライヴDVDインタビュー
#71 「クリスタル・ゲージ」インタビュー
#63 2ndアルバムインタビュー

ザッピィ number89 2004.7(2004年6月)
大切な人への想い
普段は身近すぎて見えなくなりそうな
愛する気持ちを、見落とさないで――

ガーネットの新曲「君を飾る花を咲かそう」は、彼らの王道ともいうべきミディアム・バラード。ある出来事がきっかけで、大切なことに気づいたという中村由利の気持ち、そして中村から生まれたメロディをもとに詞を書いたAZUKI七の想い。彼ら独自の手法で生まれたこの“大きな”歌について、ふたりに代表して語ってもらった。

この曲を聴いて幸福を一人でも多くの人と共有してほしいです

 GARNET CROWから5カ月ぶりとなるシングル「君を飾る花を咲かそう」が届いた。今回は彼らの真骨頂といえるミディアムバラード。生きるとは何か、自分にとって大切な人は誰なのか、をあらためて考え気づかせてくれる深みのある楽曲だ。
「今年のライヴツアーの後半に、友人の家族が突然この世を去ってしまい、私自身とても驚き、哀しみ、つらい思いをしたんです。そのことがきっかけでこのメロディが出てきました。大切な人への想い、普段は身近すぎて見えなくなりそうな愛する気持ちを、見落とさないで、ちゃんとその気持ちに触れてほしいという願いを込めて作りました」(中村)
「曲から哀しく切ない、それでいて凛とした印象を受けました。それで、サビ全部の歌詞が最初に浮かんだんですね。個人の無力さ歯がゆさ、人一人の影響力を感じながら書き上げました。タイトルに関しては、うーん…後付けになりますが、どんな旅立ちでも晴れ晴れとした気持ちで旅立ってほしいなと…」(AZUKI)
 二人は普段から互いに「こういうものを作ってほしい」というやりとりをまったくしない。それでいて、いつも曲と詞の世界観が見事に合致している。特に今回は驚くほどだ。
「私がこういったことを経験してできた曲だということは一言も知らせなかったのに、詞を見た時、そういうようなイメージをさせる詞になっていて正直驚きました。今回はちょっとコワいくらいです。何で分かったの!?みたいな」(中村)
「驚きました。今回特に驚きました。ちょっと怖くなった」(AZUKI)
 と話すが、二人の感性がとても近く、互いの心が無意識のうちに共鳴し合う関係だということが、ほかにはないガーネットの大きな強みだ。
「レコーディングの時、この歌を歌い上げるのには少し時間がかかりましたが、悲しみを乗り越えられたからこその強さも感じてもらえるのではないかと思います。そしてこの曲を聴いて幸福(しあわせ)を一人でも多くの人と共有してほしいです」(中村)
 ちなみにタイトルにちなんで、それぞれの好きな花をたずねると「お決まり、ユリで(笑)」(中村)「どんな花も好きです。最近は暖かくなってきて青い花は日持ちしないので、黄色系を飾ることが多いです」(AZUKI)と教えてくれた。
 さて、カップリングには「やさしい雨」「夜深けの流星達」を収録だ。
「「やさしい雨」は、ちっょとポップで切ない曲です。自然に体がゆれるようなノリを感じてください。フェイクも聴きどころです。「夜深けの流星達」は、透き通るようなハイトーンが気持ち良い、ちょうど澄んだ空をながめているような気持ちになってもらえると嬉しいです」(中村)
「とても素敵な3曲を詰め込んだシングルができました。聴いてやってください」(AZUKI)
 また、今回はシングルと同時に、2度目のツアーの模様を収めたライヴDVDも発売。そこで初披露した、まだCD化されていない「雨上がりのBlue」も収録されている。
「ライヴツアーをあらためて振り返って思うことは、人のエネルギーって凄い!」(AZUKI)
「ファンのみなさん一人一人の顔を見て歌える余裕が出てきたかなっと思います。本当にいろいろな聴き方をしてくれているんだなって感じました。リハーサルや楽屋裏での映像もあるんで。裏側を見られることは、とても恥ずかしいけれど、少しでも私たちの音楽に対する姿勢を見ていただければ、と思います」(中村)
 そして現在はアルバムの制作に入っていると語る二人。いよいよデビュー5周年目に突入するガーネットは、ますますパワーアップしていく。
「今回のシングルは、ライヴツアーを経て一つ大きくなったGARNET CROWを感じてもらえると思いますので、ぜひ聴いてみてください。DVDは楽しそうに演奏しているメンバーに注目です。ぜひ観てみてください」(中村)

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ザッピィ number84 2004.2(2004年1月)
年明け1枚目なので、ノリがよくバンドらしいこの曲で景気づけ(笑)

3rdアルバム「Crystallize〜君という光〜」で、高い評価を得た彼らが、04年第1弾シングル「僕らだけの未来」をリリース!1月27日から待望の2ndライヴツアーを控えているなか、中村由利とAZUKI七に聞いた!

当初はアルバム用に制作 もっとエスニックで個性の強い曲だった

――今年第1弾シングル「僕らだけの未来」は、スピード感のあるナンバーですね。バンド至上最速の速さだったりして。
中村 年明け1枚目なので、景気づけで(笑)。ノリのいい、バンドっぽいこの曲で、私たち自身も勢いに乗ろうと思って、1月後半からはツアーも控えてますからね。でも、楽曲自体は3rdアルバムのために制作したもので、最初はもっとラテン色の強いナンバーだったんですよ。
AZUKI七 アルバムで考えていた時とは、アレンジも歌詞もずいぶん変わったんです。シングルでもスパニッシュな雰囲気を感じてもらえると思うんですけど、アルバム用の時はもっとエスニックで個性の強い曲だったんです。だから歌詞ももっと映像的な感じでしたね。
中村 タイトルも違っていてアルバム用の時は、砂丘という意味の「サンドヒル」だったんですよ。
――レコーディングは?
中村 最初のデモから、僕はこうしてみよう、私はこうしてみようって、どんどん膨らませて、形が変わっていった曲なので、作っていく楽しさみたいなものがありましたね。
AZUKI七 曲って変わるんやなつて思いましたね。古井さんは同じメロディに対して短期間で、全く違うオケを作ってきたんですよ。この人スゴイ、みたいな(笑)。これだけ8ビートを刻んでいる曲も珍しい。
中村 岡本さんのギターも、最初はスパニッシュを意識していたけれど、いろいろと試してみて、最終的にはロックなギターになっていった。
――中村さん、歌ってみた感想は?
中村 ノッて歌える曲なので、歌っていて気持ちいい(笑)。1番と2番のサビはファルセットで歌ってるんですけど、最後は張って歌っていて、言い切っている。力強い感じを出したかったんです。みんなの耳に残ってくれたらいいなと思って。
――「僕ら〜」は、『感動ファクトリーすぽると!』のテーマソングでもありますけど、お二人はスポーツはするんですか?
AZUKI七 体は動かしますね。普段プールに行って泳いだり、ジョギングしたり。ダイビングもするし、釣りもスポーツになります?今の時期ならスキー。ツアーのリハの間を縫って、何とか行きたいと思っているだけど(笑)。
中村 私はもっぱらテレビ観戦ですね。オリンピックとかワールドカップとか、みんなが注目している大会の時に、「ガンバレ!日本」みたいな感じで観て、盛り上がる(笑)。昨年は、ガンバレ!タイガースでした。
――関西が地元ですものね(笑)。ところで、今回のシングルは3曲入っていて、すごくお得。続く「Float World」は?
中村 これもアルバム用に考えていた曲なんですけど、曲自体は一昨年からあったもので、新しいトライをしたというよりも、本来自分たちが持っているテイストが素直に出た曲ですね。マイナーでミディアム調で。
――3曲目の「lose feeling」のほうは?
中村 1曲目と2曲目が色の強い楽曲なので、最後はちょっと軽めの、お口直しみたいな曲がいいかなと思って。チープなんだけどオシャレみたいな、ライト感覚の曲ですね。
AZUKI七 詞は曲を聴いた時に、春のひだまりの中で、お手紙でも書いているような感じを受けて、そこから広がっていったんです。
――さて、1月後半からは2ndツアーが始まりますけど。
中村 大きな会場になっているので、ビックリしたんですけど(笑)。でも会場が小さく感じられるような、ファンとの距離が近く感じられるような、ステージにしたいですね。
AZUKI七 結構ステージから皆さんの顔ってよく見えていて、あの人、今回も来てくれてる!とか。
中村 そうなんですよ。「あの人、来てた?」って、楽屋でみんなで話したりして(笑)。みなさんの楽しそうな表情を見られるのが、何より楽しみなんです。

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ザッピィ number81 2003.11(2003年10月)
初ツアーを経験した事で、広がった可能性
4人の新たな力が形になった“大きな結晶”

10月29日にリリースされる3rdアルバム『Crystallize〜君という光〜』は
初ライヴツアーを経験したことで、“力強さ”“生”が加わった作品に
個々に起きた変化、そしてGARNET CROWの新たな可能性について聞いた

このアルバムを聴いて生きてることを実感してくれたらいいなと思う

――3rdアルバムが完成しました。今回はどんな作品にしようと思っていましたか?
中村 全員で集まって、今回はこうしようと、話し合ったりはしないんですよ。一曲一曲作っていく中で、だんだんと全体が見えていく感じで、今回はライヴが一段落した、3月ぐらいから半年ほど制作期間をもらって、じっくり作ったんです。曲に関しては漠然と、落ち着いて聴けるもの、地に足がついて聴けるものにしたいなというのがありましたね。
AZUKI七 曲を聴いて感じた時のインスピレーションを素直に言葉にしているだけで、あんまり言いたいこととか、メッセージを発したい気持ちはないんですよ。1日、2日たって読み返したら「あぁ、こういうことを書いていたんか」みたいな。
古井 歌詞を読んで「AZUKIさん、これってこういう意味だよね」って聞きたい時もあるんだけど、たぶん「好きなようにとっていいです」って言われるんだろうなと思って(笑)、アレンジ面では、メロディを最大限に生かすことを一番に考えますね。その上で、新しいサウンドや手法を取り込んで、もっとガーネットの世界を広げられるんじゃないかと、日々、試行錯誤しています。
――どの曲もイントロからして凝っていますよね。「Endless desire」なんてイントロはダンスサウンド!
古井 やっぱり、つかみは大事ですから(笑)。イントロ聴いて、Aメロまで聴きたいなと思わせられなかったら、アレンジャーとして失格だと思っているんで。
岡本 今回、1年半ぶりのアルバムだけど、その間に初ツアーを経験した事が大きく影響していると思う。ライヴで弾くんだったら……というイメージが常に頭の中にあるから。
――タイトルはいつ頃決めたんですか? その意味は?
中村 最後にギターを中心としたロックな曲が欲しいなって話になって、「逃れの町」を録ったですけど、そのあたりでようやくと全体が見えてきて、タイトルもその頃決めました。今回は一曲一曲が一つの結晶であり、同時にアルバムトータルとしても一つの大きな結晶だと思ったから。
岡本 「逃れの町」のエレキギターは、シンプルな演奏なんですよ。なんかギターキッズにかえったような気持ちで、気持ち良く弾けました。それに比べて「Marionette Fantasia」のアコギは納得がいくまで時間がかかった。
古井 僕としては「Marionette〜」は、ライヴではアンプラグドで演奏したい曲なんだよね。
中村 これは6/8拍子なんですけど、今までのガーネットにない幻想的でメルヘンチックな、大人のグリム童話みたいなイメージで作ったんです。
――歌詞の世界もまさにそんな感じ。
AZUKI七 今、その話を聴いてビックリしました。偶然の一致。
――中村さんはヴォーカリストとしての立場では?
中村 元々アルトの声なので、高い声を出していても、高く聴こえないみたいなんですけど、結構キーの高い曲が多いんですよ。だから本音を言うと。しんどかった歌もある(笑)。「君という光」は最初から最後までメロディを歌一本で歌ったんですけど、これはある意味、挑戦でしたね。
――アルバム3枚を振り返ると?
中村 1stは黄色、2ndはブルー、3rdは紫赤、バイオレット(笑)。
古井 いい意味で、どんどん力が抜けていっている感じがしますね。
AZUKI七 今回のアルバムを作っていて、力強く温かいアルバムになればいいなと、思ったんですよ。中村 今回は“生”を感じてもらえる作品だと思うんですよ。他者がいるから自分がいるとか、夢があるから頑張れるとか、応援歌というスタンスとは違うけど、このアルバムを聴いて、生きていることを実感してもらえればいいなと思います。
岡本 ガーネットをシングル曲でしか知らないという人は、ぜひアルバムを聴いてほしい。絶対に気にいってもらえる、自信がありますから!

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ザッピィ number80 2003.10(2003年9月)
サビの詞が好きでレコーディングの時も泣きそうになりながら歌入れしていました

9月10日にリリースされたガーネットの新曲「君という光」は、彼らにとっての久々のバラード。今回は、メンバーの皆さんに、楽曲への想いや各パートの制作へのこだわりはもちろん、この夏の思い出についてもお聞きしました♪

この曲を聴いて皆さん自信の希望の光をみつけてください

 バンドの充実ぶりを示すようにリリースを続けているGARNET CROW。新曲「君という光」は、「夢みたあとで」以来のバラードだ。
 「初ライヴやイベント出演等を経て、しばらく制作期間があったのですが、その時に書きおろした曲です。曲作りにかかった時間は割と早く、1〜2日で書き上げました。そろそろバラードが歌いたいな……みたいな感じで書きました」(中村)
 曲を最初に聴いた時のメンバーの印象は「ええ曲やなあ……」(AZUKI七)「良い曲だから、代表的な一曲になるようにしなければ、となんかワクワクしてました」(古井)「大きくて優しいイメージ。あとあたたかさみたいなものを感じました」(岡本)とさまざまだが、この曲に対するメンバーの惚れ込みようが伝わってくる。一方歌詞は、センシティブで幻想的な世界が広がる世界観。感性豊かな言葉が並んでいる。
 「詞を書いたのは春頃だったと思います。曲を聴いてすぐ心象風景と言葉が浮かんで、一曲分完結していました。特にタイトルに何か意味を、というよりも、全体の空気で聴いてもらいたいです。あえて言うなら、“投影”“他者があっての自己確認”を意識した世界観だと思います」(AZUKI七)
 「この曲はデモ段階よりも詞がついて格段に良くなった曲で、世界が一気に広がった曲です。サビの部分の詞がとても好きです。レコーディングの時も泣きそうになりながら歌入れしていました」(中村)「“君という光 浴びて呼吸した…”というフレーズで、なんかあたたかく、そして心地よい感じを受けました」(古井)「“愛なんて淡い幻想(ゆめ)…”の部分が好きです」(岡本)
 透明感溢れるサウンドが、中村の表情豊かな歌声を一層引き立てている、音作りに関しては「広がり、そして力強さを基本に、全体の流れや場面場面での世界観を大切にすすめていきました」(古井)「エレキギターは今回これ以上ないくらいシンプルですが、かえってうまくはまったと思います」(岡本)と振り返る。
 また、特筆すべきは中村のヴォーカルで、低音が響く前半など、これまでとは違った音の雰囲気に驚かされる。
 「A・Bメロ、サビにもコーラスをほとんど入れてなくて、歌1本で、その分自分の声というものを大切にしたところが初挑戦でしたね。逆にスキャット部分では幻想的なイメージが出るようにコーラスを何重にも重ねているんです。その辺りの対比もきれいにできたかなと思っています。今回のレコーディングでは、一番キー設定が大変だった」(中村)
 さてC/Wの「夏の終わりの長い雨」は、軽快なテンポのナンバーだ。アウトロなどで使われているギターの音色が、とても印象的だ。
 「アコギのキラキラ感が、ストリングスの中で浮かぶイメージですね」(岡本)「曲はちょっと切なくスパイスのきいたサビが耳に残るように作りました。歌録りでは、サビの言い切る部分などをかっこよく、説得力をもつよう表現しようと、ヴォーカルパターンを何回も録って、しっくりくるテイクを選んだんです」(中村)「アレンジは、気持ちの動き、時の流れを、一曲を通して表現できたらと思って取り組みました」(古井)
 ところで、今年の夏は本当に「長い雨」が続いていたが、メンバーはそんな夏をどう過ごしていたのだろう?
 「“夏あった?”っていう位、知らんうちに終わりかけてますねぇ……」(AZUKI七)「泳ぎ方を忘れそうだ!だけどPV撮影の時は、やたら暑い日でしたね、たしか」(岡本)「PV撮影中、外ではだんじり祭りがおこなわれてたんですけど、声が聞こえて出ていって追いかけたら、あっという間に見えなくなって、そのスピードにびっくりしました」(AZUKI七)「PV自体は淡く幻想的な感じの仕上がりで、あたたかさと光がうまくとけあっているものになっています。「君という光」を聴いて、ぜひ皆さん自身の希望の光をみつけてください」(中村)

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ザッピィ number78 2003.8(2003年7月)
ライヴをやって「自分は必要とされているんだ」と実感できた

ライヴDVD「first live scope and document movie」から約5ヶ月
前作「クリスタル・ゲージ」から約7ケ月ぶりのニューシングルが到着!
今回の作品でも新鮮な試みがなされていて、彼らの新たな一面を見るみとができるぞっ

いろんな発想が次々と出てきて楽しんで作れた 遊び心も満載!

 GARNET CROWがいよいよ動き出す。約7ケ月ぶりとなるシングル「泣けない夜も なかない朝も」を発売。昨年初ツアーを行い、バンドして自信を深めた彼ら。今回のシングルには、ライヴ経験で得たもの、感じた事が表れている。
「ライヴをやっていて“自分は必要とされているんだ”と実感できたことが、今一番制作をする上での糧となっています。新曲は夜中、家にこもって一気に書き上げた記憶があります。初ライヴを経験した後に制作した曲で、その経験を踏まえて、もう一度頑張ってみよう!生きてみよう!という気持ちで作りました。サビでは生きる強さ、AメロBメロでは郷愁感やノスタルジックな雰囲気が出るようにしました。ライヴが懐かしいな、という気持ちから、このメロディが生まれました」(中村)
「制作は4月頃で、オケを作っている最中にもライヴバージョンの構想を練って、ライヴの時はここは誰が弾いてとか、自然に考えたりしましたね。イントロにラップを入れたのは、新鮮な感じが出せたらいいなと思って。いろんな発想が次々と出てきて遊び心も満載で、聴けば聴くほどいろいろ感じてもらえると思います」(古井)
「曲を最初に聴いた時に、ドライヴ感と各ブロックごとのドラマ性みたいなところが印象的でした。ラップは僕じゃありません。もし僕ならラッパーに転身してますよ(笑)。でもラップ部分も解読して聴いてみてください。今のGARNET CROWを象徴している曲になったと思います。無意識のうちに、ライヴの事ことも少し頭に入れながらギターを弾くようになりましたね」(岡本)
「歌詞はメロディに感覚を任せて書いてます。一つのオブジェとして聴いていただけたらと思います。なぜだかわからないけど、受動的な“生きれるって気にさせる”ってフレーズが、最初に出てきました。タイトルもフィーリングで書いていますが、今回は曲のメロディーがいつもよりキャッチーだったので、タイトル然とするように、意識しました」(AZUKI七)
 レコーディングは順調に進んだという。中村は「Aメロ、Bメロ、サビでのイメージ分けを意識して歌入れをしました。サビでは強さを感じてもらえるように、天井を突き抜ける気持ちで歌っています」と、ヴォーカル録音の時を振り返ってくれた。シングル候補は3曲あったが、一番強くてしっかりとしている印象のこの曲を選んだという。
 一方カップリングは「For South」は、ドライヴ感のあるアップテンポで、ちょっと懐かしめのノリとリズムが新鮮なナンバーだ。
「こちらは“気だるさ”みたいなものを感じてもらえればと思います。日常の中で何かが溜まってきて爆発寸前の静けさというか。あと一歩で爆発する、その手前ギリギリ感みたいな感じです」(中村)
「ノリで聴いてもらえればいいなぁ。そしてこの後はアルバム作りだー!後半飛ばします」(AZUKI七)
 そう、このシングルを筆頭に後半はリリースが続く。それゆえ、夏はスタジオ中心の生活となる彼らだが、プライベートの楽しみは?
「夏バテしないように過ごしたいと思います。花火大会やお祭りにできるだけたくさん行きたい」(中村)
「そうですね、一人旅とか」(古井)
「日焼け」(岡本)
「ダイビングざんまい……だといいなぁ……」(AZUKI七)
最後にファンにメッセージを!
「夏の暑さに負けず、素敵な思い出を作ってください。そして、“生きる”って実感してください。それからファンクラブを発足したんですけど、皆さんのイラストなどを見るのが大好きなので、ぜひ送ってください」(中村)
「音楽を通して、GARNET CROWってどんな人たちなのか知ってもらえるといいですね」(岡本)
「これから年末にかけて盛りだくさんのGARNET CROWをよろしくお願いします」(古井)

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ザッピィ number73 2003.3(2003年2月)
音楽はもちろん構成や演出にいたるまで独自の世界観で統一されたツアーを収録

昨年10月10日のなんばHATCHを皮切りに、初のライヴツアーを敢行したGARNET CROW。その模様が初の映像作品としてDVD化される。彼らの新たな魅力と可能性をパッケージした本作について、ヴォーカルの中村由利にインタビュー!

熱狂と感動に包まれた1stツアーの模様を初の映像作品として発表

 色のたとえるならばまさしくガーネット。赤のなかでも紫がかったこの色には、情熱的なイメージと深みのあるイメージが同居している。GARNET CROWの1stライヴツアー“GARNET CROW LIVE TOUR 2002〜first Sound scope〜”は、そんな燃え上がるような熱狂と胸に深く染み入る感動に満ちていた。ヴォーカルの中村由利をはじめメンバーにも大きな手ごたえを残したよう。
「一言でいうなら“楽しかった”です。あと、ファンの皆さんのありがたさというか。直接、皆さんと触れ合ってみて、あらためてたくさんの方々に見ていただいて、心強いなって思いました。メンバーみんな今までにないくらい、ニコーって笑顔でプレイしてましたから、本当に楽しくって嬉しくてっていう感じです」
 彼女自身は、一昨年の“GIZA Studio R&B PARTY”や昨年の“GIZA Studio MAI-K&FRIENDS HOTROD BEACH PARTY”でライヴは経験ずみ。けれどもワンマンライヴは初めてのこと。
「これまでのライヴイベントは、1曲だけでしたので、あまり周りを見たりする余裕はなく終わったという感じ。どちらかというと、お祭りに参加している気分で楽しく参加させていただきました。自身のツアーでし、やはりお祭り気分というわけにはいかなかったですね(笑)」
 記念すべき初ライヴのオープニングは柔らかなサウンドで会場を満たした「call my name」。その後も「最初から最後まで飽きないで聴いてもらえるように、メリハリのある構成になるようにしました」というよりすぐりの楽曲がずらり。フリが楽しい「flying」や飛び跳ねていた彼女の姿が印象的な「二人のロケット」など、アップチューンはダイナミックに盛り上がる。豊かなファンタジーが紡がれた「水のない晴れた海へ」や叙情が美しく香る「夢みたあとで」など、ミディアムチューンでは深い感銘を刻んでいく。それも情感あふれる彼女の歌はもちろん、メンバーの優れたプレイがあればこそ。フルートも披露したAZUKI 七、センスあふれるギターを聴かせた岡本仁志、多彩な音色のキーボードとアレンジで全体を引き締めた古井弘人、とそれぞれが存在感たっぷり。客席と一体となった至福の時間を惜しむように何度もサビを繰り返したラストの「スパイラル」まで充実した演奏を披露した。
 熱狂と感動に包まれたこのツアーの模様が、ライヴDVDとしてリリースされることが決定。ドキュメント映像も収められ、このツアーのメモリアルにふさわしい作品に仕上がっている。さて、自分たちのパフォーマンスを振り返って観た感想は?
「少し恥ずかしいのと、でも楽しそうに歌っているメンバーや私自身やオーディエンスを観ていると、本番の時の緊張感とかワクワクな気持ちとかが蘇ってきて、とてもドキドキ興奮します」
 しかもあらためて映像で振り返ると構成や演出にいたるまで、彼らの世界観で統一されていたことに気づくはず。ガーネット色のカーペットを敷き詰めたセットやスクリーンに全曲の歌詞を映し出す趣向、ライヴハウスながら椅子席を設けたことなど、細部まで彼らのこだわりが感じられる。
「じつくりと聴いて頂きたいという思いで椅子席にしました。歌詞も見て分かりやすく、口ずさんでもらいやすいのではないかということで映すことにしたんです。誰のアイデアというよりはメンバー、スタッフともに同じ思いでいたので、ごく自然のなりゆきでこうなりました」
 優れたクリエイター集団である彼らは、スタジオ作品では緻密な音を構築してきた。本作には、そうしたスタジオワークとは異なる彼らのライヴバンドとしての新たな魅力と可能性が刻まれているのだ。
「CDとはまた違った生の迫力というか勢いのあるサウンドを直接観て、聴いて、感じてほしいと思います」

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ザッピィ number71 2003.1(2002年12月)
曲を聴いた時の第一印象は、透明でキラキラしている、確固たる揺らぎのイメージ!

02年発表した作品がすべてオリコン10位以内にランクイン、名実ともにトップバンドの仲間入りを果たしたGARNET CROW。初のテレビ出演、初のライヴツアーと、この1年間で活動の幅を積極的に広げた彼らが、02年最後のシングル「クリスタル・ゲージ」をリリース!

持ち味である“透明感”を前面に出した、心地よいミディアムナンバー

 10月からの初ツアーを終えたばかりのGARNET CROW。ステージを経験したことで、バンドとして一回り成長した彼らが、12月11日にシングル「クリスタル・ゲージ」を発売した。実はこの曲、ライヴ終演後に会場で流していたナンバーで、耳の早いファンがいち早くチェック。シングル化を待ち望むファンからの問い合わせも多かったという。今回は中村由利とAZUKI七の二人に話を聞いた。
「特に理由はなかったのですが、ただ雰囲気が良いのでは、ということでライヴ終演後に流すことにしたんです。ライヴに来られたファンの方々から、あの曲はガーネットの曲ですか?ガーネットらしい曲ですねなど、たくさんのメールをもらいました」(中村)
 そんなファンの感想通り、透明感のあるメロディが心地よい、ガーネットらしいポップチューンだ。冬の晴れた日の澄み切った青空のような、すがすがしい広がりが感じられる。
「ビョークとかアイリッシュ系のアーティストがもともと結構好きで、そういう独特のヴォーカルスタイルを意識して作った曲です。個人的には最初のフレーズの“Lala tulu〜”が気に入っていて、一言一言に意味があるんです」(中村)
「曲を初めて聴いた時に、透明でキラキラしている、確固とした揺らぎのイメージがわいたんです。タイトルも“確固とした揺らぎ”のオブジェ的な世界観という意味で、この言葉にしました」(AZUKI七)
 アコギの響きが印象的な、ネオアコ風のサウンドを展開。中村のファルセットヴォイスや、コーラスワークも心地よいグルーヴを生んでいて、聴きどころだ。
「響きがにごらないように、言葉がサウンド的に馴染むように心がけて歌ってみました。ヴォーカルトラックを二本に録り分けて、クロスさせたり、スムーズに聴こえるように工夫してみました、この曲のように、鼻歌を歌っているような幸福感とか、希望にあふれたイメージのものは初めてに近いので、ある意味、挑戦だったし新鮮でしたね」(中村)
 タイトル曲が“透明感”や“すがすがしさ”ならば、カップリング曲「Crier Girl & Crier Boy〜ice cold sky」は、“せつなさ”や“儚さ”という言葉がしっくりくる作品。カップリングは、厚いサウンドによる奥行きのある音作りのミディアムナンバーだ。情景が浮かんでくるようなAZUKI七の感性豊かな詞の世界を、中村が高音ヴォイスを駆使して歌い上げている。
「特にテーマはないのですが、うつろうモノの儚さときれいさを思いながら書きました」(AZUKI七)
「せつない、冬に聴きたくなるような曲を歌いたくて作りました。サビの追っかけコーラスの重ね方とか、響き方とかを決めるのに時間をかけましたね。コーラス録りには夜中までかかってしまいました」(中村)
 さて、02年は初のテレビ出演、初のライヴと、何かと初づくしだった彼らだが、いちばん印象深かった出来事について聞いてみた。
「何と言ってもファースト・ライヴ。ステージを経験したことで、度胸がついたと思います。ファンのみなさんが力いっぱい声援をしてくれて、とても心強かったです」(中村)
「ライヴでは応援してくれる人がいること、見守ってくれている人がいること、聴いてくれている人がいること、それをじかに肌で感じられたことが大きかったです。でも、どれか一つと言われたら、いろいろあって選べないです」(AZUKI七)
 お正月の前にはクリスマスと、いうことで、最後にお気に入りソングと03年の目標を教えて!
「ベタですけど、ワムの「ラストクリスマス」。03年への抱負は、いいアルバムを作ることです!」(中村)
「クリスマスソングは讃美歌。03年の目標は、プライベートだったら、いろんな海に潜りたいです」(AZUKI七)

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ザッピイ number63 2002.5(2002年4月)
「夢みたあとで」のヒットで人気急上昇中の4人が、4月24日に2ndアルバムを発表する。これまでは楽曲制作中心に活動していた彼らだが、最近はテレビの歌番組などにも積極的に出演。そして今回、初インタビューが実現した。

ロックっぽいものやダンサブルな曲も、ガーネットという枠の中で表現

──4人でのインタビューは初とか。
「ええ。4人とも関西在住でふだんはスタジオ中心の生活だから、なかなか上京する機会がなくて。今はホテル住まいなんですけど、荷物はどれくらい持っていけばいいのかな?って悩んじゃって(笑)」(中村)
──2ndアルバムも完成しました。今回のテーマは何ですか?
「最初にテーマを話し合ったわけではなくて、1曲1曲を作っていく中で、アルバムの全体像が見えてきた感じです。1曲作るときも同じで、4人が一緒になって交じって作ることはしない。それぞれが自分のポジションでベストだと思うものを作ってきて、こんなのどう?って見せ合いながら固めていくんです」(中村)
「ほかのアーティストのアレンジを手掛けるときとは違って、"ガーネットだからこうなんだ"というのが、僕の中には明確にあるんですよ。今回はロックや、ダンスナンバーもあるけど、あくまでガーネットという枠の中で表現してみました」(古井)
「1stに比べて、ゆとりをもってやれたと思います。ギターに関しては、数多く入れることより、効果的に入れることにこだわりました。前作はアコギが一つのポイントだったけれど、今回はエレキの比重が大きくなっている。せつないだけでなく、ギターの歪んだ音で激しさや熱っぽさを表現した曲もあって、サウンドの幅が広がった。全体に隙間のあるシンプルな作りですね」(岡本)
「今回は艶っぽくて、瑞々しい、透明感のある曲をそろえてみました。1stは色々とつめ込んでプラス、プラスしていく作り方で、重みのある作品ができたと思うんです。でも今回はいい意味で、引き算ができるようになった。余分なものを削ぎ落として、シンプルにしていくことを追求してみたんです。その象徴的な歌が「夢みたあとで」ですね」(中村)
「どの歌もそうですが、デモテープで中村の曲、そして声を聴いたときに、映像や物語が頭の中に浮かんで、歌の主人公が勝手に動きだしてく感じなんですよ。だから詞を作っているというより、与えてもらっている感じで、悩まず書ける」(AZUKI)
「今回僕は、倉木麻衣さんのライヴアレンジを手掛けたので、彼女のツアーに同行してしたりもしてて。「スカイ・ブルー」は、その旅先のホテルで作ったんです。スタジオ以外で、ノートパソコンを使って作業するというのは、すごく新鮮だった。僕は常に自分が聴きたいアルバムを作りたいと思っているんですよ」(古井)
「古井さんが打ち込みでアレンジしたものを、実際に弾こうとするとすごく難解で"どうやって弾くんですか?"って聞いたこともありますね。千手観音みたいに手がいっぱいないと弾けない(笑)」(AZUKI)
──ヴォーカルにも幅が出てきて。
「「夢みたあとで」「call my name」みたいなバラードは、私たちの一番の強みだと思うんですけど、今回は「wish★」のような今までにないダンサブルな変化球もあって。この曲は歌っていて、すごく楽しかったです。逆に「Please,forgive me」は、ガーネット始まって以来の超ウルトラC級難度の曲ですね。難しそうに聴こえないけど、実際に歌うとすごく難しいんですよ。作ったのは私なんですけどね(笑)」(中村)
「僕にとって印象深い曲は「スカイ・ブルー」。理由は"ムフフ"で、よく聴いていただければわかります(笑)。それと、「pray」の間奏で、あえてエレキでもストリングスっぽい感じを出したくて、一回取り込んだ音を反転させているんです。言われないとわからないと思うけど、でも言っとかないと気づかれないから、書いておいてください(笑)」(岡本)

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