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GARNET WORLD
Music Freak MAGAZINE 7

Music Freak MAGAGINE目次
リンク先です! 記事タイトル等
vol.139 「word scope in M.F.M」(vol.58)、「夢・花火」インタビュー
vol.138 「word scope in M.F.M」(vol.57)
vol.137 「word scope in M.F.M」(vol.56)
vol.136 「word scope in M.F.M」(vol.55)、「籟・来・也」インタビュー、
Valentine Live レポート
vol.135 「word scope in M.F.M」(vol.54)
vol.134 「word scope in M.F.M」(vol.53)、プレミアム・ライヴレポート
vol.133 「word scope in M.F.M」(vol.52)、プレミアム・ライヴリハレポート
vol.132 「word scope in M.F.M」(vol.51)、「晴れ時計」インタビュー
vol.131 「word scope in M.F.M」(vol.50)、5周年記念アンケートインタビュー

Music Freak MAGAZINE vol.139(2006年6月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.58)

ニュー・シングル「夢・花火」のリリースを7月5日に控えたGARNET CROW。今回は、古井弘人さんが、サウンド・トラック『imagination』(BGV.JP/i-TUNES MUSIC STORE/moraにて配信中)の発表に伴って感じた、インストゥルメンタル作品について語ってくれました!

2月にサウンド・トラック『imagination』を発売させて頂き、音だけで表現する自由さや、奥の深さを体感した訳なんですが、昔は今以上にインストゥルメンタル作品が身近な物だった記憶があります。
例えばフュージョンと言ったジャンルや、日本ではYMOなど……。シンセサイザーでメロディをメロディを刻み、感動を与え、ワールド・ツアーまで行ってしまうという意味では、すごいパワーを感じます。確かに考え方によっては言語による国境がなく、表現による文化の違いもあまり考えなくて良いのは事実かも知れません。私は歌物専門でしたから、本当に色々な発見がありました。
そんな経験が、今後の私の音楽人生にどう生かされるか、楽しみにしていて下さい!(笑)

次作、GARNET CROWの新曲「夢・花火」はスピード感のある、異国を感じさせるような作品に仕上がったと思います。「籟・来・也」に続き、また一味違ったGARNET CROWの魅力をお楽しみ頂けたらと思っております。

GARNET CROW New Single「夢・花火」2006.7.5 On Sale!!

3月に発表したシングル「籟・来・也」でスケール・アップした音世界を披露し、リスナーを圧倒したGARNET CROWが、7月5日にニュー・シングル「夢・花火」をリリースする。ラテン・テイストに溢れたこの曲は、リズミカルで情熱的なナンバーに仕上がっており、日本的描写が盛り込まれた歌詞との調和も聴き所になっている。後に続く曲も夏を感じさせる楽曲で構成されており、爽やかさ全開の「His Voyage」、軽快で心浮き立つ「Ring Ring a ding」など、GARNET CROWから届けられたサマー・ソングが詰まった1枚となつた。今回のシングルについて、ヴォーカルの中村由利に話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)

●「夢・花火」は昨年リリース目前まで制作をしていながら、改めて作り込む作業をする事になったと伺ったのですが、それはどういった事でそうなつたのでしょうか?
中村由利(以下中村):
●以前のものと、今回出来上がったものとは結構変わっているんですか?
中村:
●最初にこの曲を作られた時にイメージしていた事はあったんですか?
中村:
●曲が形を変えていくのは、やはり楽しいですか?
中村:
●それだけ時間をかけて作り上げた曲だと、思い入れも強くなりますよね。
中村:
●AZUKIさんの歌詞を読まれた時にはどんな事を思いましたか?
中村:
●歌詞の中で特に気に入っている所はありますか?
中村:気に入っている所と言うか、英語の所は歌うのが難しかったですね。
●ちょっと呪文みたいな感じですよね?
中村:私は、本編とは別にくっつけた感じのものをイメージしてたんです。この曲はもともと、イタリアのカンツォーネとかをよく聴いていた時に作った曲の中の1つだったんですね。カンツォーネにそういうスタイルのものがあったので、取り入れてみようと思って作ったんですけど、最初AZUKIさんはそこにお経をはめこもうと思ってて……(笑)。それだと聴く人もかなり怖くなつてしまうと思うので(笑)、英語ではめてもらうようにしてもらいました。この部分は、テンションがガクッと落ちて語るような感じになつているので、歌う時に苦労しましたね。囁きほど弱くなく、歌よりも強く出てはいけない部分なので、そこには気を付けて歌いました。
●「His Voyage」は、「夢・花火」とは違って爽やかな感じがしますね。これは季節感などを考えて作られたりしたんでしょうか?
中村:夏にリリースされるという事で、まったりとしたミディアム・バラードみたいな曲だと、真夏に聴くのは聴き苦しいかなと思って、夏を意識してノレる曲を選んでみました。実は、この曲は一番最後にレコーディングしたんです。「夢・花火」があって「Rind Rind a ding」も入れたいなと思ったときに、もう1曲を疾走感のある夏向きのものにしようかと思って、この曲をレコーディングしたという感じです。
●歌詞の中にも季節感が感じられる言葉が出てきていますね。
中村:これは曲を作っている時から、季節感を盛り込んだものにしたいという同じ思いをみんな持っていたので、アレンジも疾走感のある軽快な感じになっていたし、歌詞もどことなく夏を思わせるような内容になっていたという感じです。
●季節感のある歌詞でありながら、人の考え方などの心の深い部分にも触れていますよね。
中村:私もこの歌詞はすごく好きです。目標とか夢とか希望とかを常に持っているんだけれど、時にそれがどうでもよくなってしまったり、重く感じる時もあるし、でも目的を持っていないと生きて行けない人間の悲しい性があるというか……。目指すものがあって一生懸命生きたいと素直に思える自分と、そういう事が必要なのか?とか……とっぱらっちゃいたいと思う自分と表裏一体になってて、その辺の人間の臭さみたいなものが歌詞から感じられて、すごく共感出来たんですよね。働いている事に対してすごいと思って応援したいという気持ちもあるけど、そんなに働いて何が残るのかという疑問もあったりして、そういう深い所まで考えさせられる詞でした。もしこの曲がサウンドも重い感じだったら、歌っても暗くなっちゃうと思うんですけど(笑)、ノリのいいリズムに合わせてサラッと歌ってるので、聴きやすくなってると思います。
●そういう意味ではGARNET CROWの曲の中では、今までとはまた違うものになりますよね。リスナーの方々の感想も楽しみですよね。
中村:そうですね。楽しみですね。英語の歌詞もたくさん入って、なかなか珍しい曲だと思います。歌う時もノリで入っていけたので、歌ってても楽しかったです。波乗りしている感じですね。私は出来ないですけど、波乗りしているつもりになって……(笑)。
●「Ring Ring a ding」にもキラキラした部分があって、可愛い感じの曲ですね。
中村:「夢・花火」がマイナー・トーンの曲だったので、対比でメジャー・トーンのものを入れたくてこの曲を選びました。この曲は爽やかで、「クリスタル・ゲージ」の世界に繋がるような、キラキラ可愛いという感じですね。
●AZUKIさんの歌詞を読んだ時に思った事はありましたか?
中村:すごく愛を感じる歌詞ですね。汚いものは全部忘れて、優しい愛やキラキラした思いが詰まっているというか……。ファンタジックな世界がとても気に入っています。異次元な感じがして。
●それは音作りの段階でもそういったイメージがあったんでしょうか?
中村:たぶん「ネバーエンディング・ストーリー」とか、そういう映画を見ていた頃に作ったんだと思います(笑)。私はファンタジックな世界がすごく好きなんですよ。現実を離れた架空の世界の話は大好きで、この曲はそういう部分がみんなに伝わったのか、歌詞もアレンジも異次元っぽいものになっていると思います。
●歌詞は別世界の話でありながらも、そこに出てくる人達の気持ちが大切に描かれているように感じました。歌詞で気に入っている箇所はありますか?
中村:“僕らは何を失っても‘大好き’っていう気持ち一つで”という所ですね。この1行が全てを表しているなって。好きっていう気持ちがあれば、何でも頑張れてしまうというか。それは仕事でも恋愛でも全部に繋がっていて、自分の気持ち次第で動いていけるというのは大切だなと、「His Voyage」で“そんな事どうでもいいやん!”と考えながらも「Ring Ring a ding」の歌詞を見て、やっぱり大事なんだという結論に落ち着くという……(笑)。
●この3曲はそれぞれ違うタイプの曲になりましたね。
中村:全部違うタイプなので、聴いた皆さんもどれか1つはお気に入りのものがあるんじゃないかと思います。「Ring Ring a ding」が1番素直な曲になっているとは思いますね。これを聴いて“自分も素直になろう”と思ってもらえたりすると嬉しいです。
●GARNET CROWの音世界が、今どういう方向に向かっているというのはイメージとしてあったりするんでしょうか?
中村:方向とかは特に今までと変わっていないし、自分達の気持ちが変わってないんですよね。楽曲ありきで曲を作り上げていくというスタンスなので、曲によって世界観を構築していったり、勢い重視で作った方がいいものもあると思うので、それは曲と相談していく感じですね。この曲がどうなりたいんだろうという所から入っていくので、世界観を統一しようとかは思っていないです。
●今は次の作品に向けて制作をしているんですか?
中村:そうですね。今年中にオリジナル・アルバムを出したいと思っています。曲と相談しながら作り上げていくのも楽しいですけど、曲数がたまってきて、どういう風にまとめていくかという作業も楽しいですね。今はどうなるかは分かりませんが、それが5枚目のオリジナル・アルバムに向けて上手くまとまっていったらいいなと思います。
●このシングルがリリースされる時は夏が来ていますが、中村さんの夏の過ごし方は?
中村:外に出ない……(笑)。去年の夏は暑かったみたいですけど、レコーディングでずっとスタジオにいたので、あまり外に出なかったし、日が落ちてから家に帰ったりしていたので、あまり夏を感じずに秋に入ってしまいました。今年もそうなりそうな気がするんですけど(笑)、花火大会は好きなので行くつもりです。毎年、花火大会の時期になると、どの花火大会に行くか決めるんですよ(笑)。今年も花火休暇を取って、見に行きたいですね。夏の楽しみは花火大会です!

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Music Freak MAGAZINE vol.138(2006年5月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.57)

新曲「夢・花火」(テレビ東京系アニメ「メルへヴン」オープニング)が、7月5日にニュー・シングルとしてリリースされる事が決定したGARNET CROW。今回は岡本仁志さんが、ワールドカップに向けて熱い思いを語ってくれました。

「波瀾満載!注目グループの展望」今回の見どころグループ、日本の入ったF組を除けば、当然B、E、C組でしょう。魔の組み分けB、E、C……。
B組(イングランド、パラグアイ、トリニダード・トバコ、スウェーデン)B、E、Cの中でもまだ予想しやすい。まず本命はイングランドだろう。攻撃、中盤、守備それぞれに充実したタレントを擁しているし、特に中盤の選手は誰もが認める質。前線ではイングランドの新ゴシップ・キングことルーニー。彼がキレずに気持ち良く仕事をこなしてくれればイングランドのグループ突破は現実的だし、中心選手のコンディションが万全なら相当なパフォーマンスが見られるはずだ。次に来るのは恒例のダークホース的存在、スウェーデン。ここはイアン・ソープ似のテコンドー野郎イブラヒモビッチに是非注目して頂きたい。長身ながら非常に器用なプレーをする彼だが、テコンドー仕込みの蹴りを的確に炸裂させればグループ1位通過も可能だ。ただ、問題は世界でも定評のある守備力を有するパラグアイ。この南米の実力国が堅守速攻で期待通りの力を出せば、B組の混沌はまず避けられない。このグループの鍵はパラグアイにあるといっても言い過ぎではない。

E組(イタリア、ガーナ、アメリカ、チェコ)非常に気の毒なグループ。実力は僅差だが順当に行けばイタリア、チェコが進む……はず。この2つの国、一見強豪国だが不安要素は少なくない。まずイタリア。毎回言われるのがスロースターター!(涙)。とりわけ今回のような同グループの全てが曲者だと、エンジンのかかりが遅いこと自体致命傷になってしまう。さらにトッティの骨折からの復帰具合も気になる。タレントは豊富なはずのイタリアだが、やはりトッティを見てみたい。一方チェコは予選で大会出場さえ危ぶまれた時に代表引退したネドベドを呼び戻した事がチーム状況の全てを語っている。選手層の薄さだ。各ポジション、スタープレーヤーはいるものの、タフな試合を勝ち進むにはやはり若干選手層に不安を抱く。さらにアフリカの新興勢力ガーナも十分厄介な相手だし、一旦勢いに乗ったら手におえない高い結束力、組織力のアメリカもやばい。スポーツに限らず、1つのものに全員向かった時の爆発力はアメリカならではの武器だ。チーム内容だけで言うとベテランの存在感、若手も含めた選手層の厚みでイタリアが本命だが、序盤の展開次第で複雑な様相を展開する事間違い無し! 大荒れが予想されるE組だ。

C組(アルゼンチン、コートジボアール、セルビア・モンテネグロ、オランダ)最悪のCグループ。強豪国の予選敗退は見てて辛い。ここから2カ国が脱落するが、仕方のない事。ただグループリーグの時点から数々のスペクタクルなプレイが、このC組においてより多く見られる事が約束されている。まずその事に感謝したい。結果より、内容を楽しむ事を念頭において試合を観た方が良いだろう。特にアルゼンチン。サッカー・ファンならずとも憶えて頂きたい新星、努力する天才メッシ。アルゼンチンにして異色の芸風リケルメ、W杯では今回で最後?のクレスポと他も盛り沢山、前回の悪夢を拭い去る為にも頑張って欲しい。一方、最大の対抗馬である攻めるの大好きオレンジ軍団、オランダも攻撃陣は世界屈指。アルゼンチンvsオランダ、これが今回の全グループ・リーグ最大の注目カードで間違い無い。またコートジボワールはエースのドログバだけに注目が集まりがちだが、グループ内を引っ掻きまわすのに十分なチーム・ポテンシャルを持っているし、予選わずか1失点という勲章を携えてかつて東欧のブラジルと呼ばれたセルビア・モンテネグロも待ったをかける。このグループの国々に対して言える事は“どうしようもなくツイて無い”それしか言えない。しかし本当においしいグループだ。

という事で何とも私の嗜好全開で申し訳ございません! かなり突っ走っていますね。多分文字ものっそ小さくなっているでしょうし……。最後にマジでここまで読んで下さったあなた様に心から感謝いたします。それではっ。Adios!!

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Music Freak MAGAZINE vol.137(2006年4月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.56)

新曲「夢・花火」がテレビ東京系アニメ「メルへヴン」オープニングとしてオンエア中のGARNET CROW。今回はAZUKI七さんが、身近であった京都観光に関するエピソードについて語ってくれました。

諸外国の方って何であんなに京都好きなんでしょうか?
確かに美しい町ではあるけれど、観光シーズンって激混みするしちっょと辛いのよ……。
ホント人ごみ嫌いなのよ……。頭痛がするのよ……。
でも花見の季節にはたいがい誰かしら来て、「京都に連れてって」って言うのです。
桜の綺麗な所って日本全国いっぱいあるのにねぇ……。
近頃もう、どのみちちゃんと地理把握してないだろうし適度に遠出して、寺行って「ここが京都でーす」って言ってしまおうかと思ってみたり……。
そんな事を思っていたらもついこの間新幹線に乗っていた隣の日本人の方が「京都行かれた事ありますか?」って聞いてきたんです。
出張前のりして京都観光したいから、観光コースを見繕って欲しい、とのこと。
んでもって昨日、海外移住した友達から「今年は春に帰って花見がてら京都に行きたい」との連絡が……。
なんかもう京都観光案内について学びなさいと言われてる時期な気がしてきました。
まぁあるきっかけがある時に何でも学んでおかないとね。
という訳で今、外国の方向けの英語で書かれた名所案内を買ってきて丸暗記中です。
でもこれってこーゆー本見て行きたいと言ってるのだとしたら、丸暗記しても、
そんな説明いらんって思われるのかしら?

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Music Freak MAGAZINE vol.136(2006年3月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.55)

2006年・第1弾シングル「籟・来・也」のリリースされたばかりのGARNET CROW。
今回は中村由利さんが、新曲について語ってくれました

2006年、そしてデビュー6年目の初シングル、「籟・来・也」がリリースされま
した。空、大地、海、風、といったスケールの大きな、私たちには無くてはな
らない、かけがえの無いものを思い歌いました。昨年は自然が脅威となり、災
害も多く心を痛めましたが、自然は私達に豊かな恵みももたらしてくれます。
今このような時代だからこそ、自然と共存していく道を考えるきっかけに、そ
して自分達が生きてきたルーツを辿るきっかけになればと思っています。5年間
で培ってきた土壌に今年はしっかり根をはって深く広く伸ばしてゆけるように
がんばりますので、これからも応援宜しくお願いします。

GARNET CROW2006年度第1弾シングル「籟・来・也」は、デビュー6年目に向けて彼らが放つ、壮大にして繊細かつ、彼らの新境地開拓!と思わせる作品だ。TVドキュメンタリー番組のイメージソングとしてもコラボレート感を強く意識させるイメージいっぱいの曲だが、そのいきさつには意外な事実が隠されていた。不思議な結びつきともいえるエピソードについてヴォーカル、中村由利に聞いた。(INTERVIEWED BY SAI SAIDA)

●2006年度第1弾シングル「籟・来・也」ですが、これはデビュー6周年を迎えるGARNET CROWに相応しい素晴らしい内容になっていますね。まず、伺いたいのは、この曲はTV番組(TBS系全国ネット キヤノンスペシャル「古代発掘ミステリー秘境アマゾン巨大文明 大発見!紀元前の遺跡…大地を改造した幻の民族」イメージソング)のタイアップという事もあり、やはり番組のコンセプトありきで出来た曲ではないかと思うのですが、その辺のきっかけというのは?
中村由利(以下中村):実は、この曲は去年からあって、それをTBSの方が聴いて、「これは(番組に)ぴったりだ!」という事で、使って頂く事になったんです。なので、その番組の為にこの曲を書き下ろしたのではないんです。もう最初から「籟・来・也」というタイトルで、こういうアレンジでこの曲はあったんですよね。

●それは意外ですね。
中村:そうなんですよ、タイトルもそのままで、去年にはもう出来上がっていた数ある楽曲の中の1つでした。こういう趣向のものがあって、次のアルバムに入れようかなくらいの感覚でストックしてたんですけど(笑)。

●「籟・来・也」というフレーズにしても、この番組にぴったり過ぎますよね。歌い方も、歌詞にしても番組を意識してだとばかり思っていました。
中村:私達の立場から言うと、よくこの曲にぴったりの番組があったなと(笑)。逆の発想で、自分たちの曲にぴったり合うコンセプトの番組があった事自体が驚きでしたね。

●それにしてもこのタイトル、斬新ですね。
中村:籟・来・也」というタイトルは制作していて一番最後に付きました。最初はデモ通りやっていると“アイアイヤ〜”みたいなフェイクの感じで乗せていたんですけど、一番最後のメロディの強い部分なので、何か歌詞を付けた方がいいんじゃない?という事になって、で、この「籟・来・也」をAZUKIさんが付けてきました。

●“アイアイヤ〜”というフェイクから「籟・来・也」が生まれたと。
中村:そうです。そう言っていて、その母音を生かすようにしようというので考えて、最初に“籟”という文字が来て、あと“来る也(なり)”というのを付けたと言ってました。

●この“籟”という文字とか、相当練らないと出てこない言葉だと思いました。歌詞の内容も春夏秋冬が描かれて、ものすごく自然の雄大さが出てくる歌ですね。メロディには和のテイストも備わっている。これは中村さんが曲を作ってきた時にそんなイメージがあったのですか?
中村:和風のテイストというのは、もともとそういうのが好きだったので、それをちょっと今回は強調してみました。でも、最後の世界観が出来てきたのは、アレンジと歌詞が出来てから。この曲のもともと持っていた資質や方向性のようなものを引き出してもらったな、という感じです。デモの段階では、そこまでイメージは具体的ではなかったですけれど、あのアレンジと歌詞が付いて、この曲の方向性がすごく見えました。

●じゃあ、アレンジも全く古井さんの感性で、あんな風に始めから仕上げられていたんですね。
中村:そのままですね。

●という事は、あの民族楽器系の音色なんかも?
中村:あっ、入ってましたね。ケーナとか民族楽器の音色も最初から入っていて、ほぼ完璧に近い状態にあったので、それを聴いて気に入って下さったんです。

●ちょっと、信じられませんね(笑)。アマゾンの秘境番組にして、この曲との相性といったら、絶対タイアップを意識してアレンジはしたものだとばかり思ってました。
中村:私達自身も驚いてます(笑)。

●でも、これはGARNET CROWの代表曲になりそうですよね。
中村:クセがすごいある曲なのでね。1度聴いたらきっと忘れられないような曲になってもらえるんじゃないかなぁと思います。歌詞や世界観も、なかなか今まで歌ってきたものとはちょっと違うというか、大きいスケール感、自然とか人としてどうだ、どう生きようとかを歌っているので、何かそういう人間の根本的なものを感じて頂けたらなぁと思いますね。

●AZUKIさんからこの歌詞を渡された時、中村さんはどんな印象を持たれました?
中村:珍しいなぁ、と思いましたけど、でもメロディとすごく合っていたのですぐに気に入りました。すごく独特なメロディの曲なので、よくハマッたなと。どういう歌詞でハマるのかと思っていたんですけど“あ、こういう感じ出来たか”っていう……。今までよりもさらに深い精神性を持った歌詞になっているかもしれません。

●ヴォーカルにも、そういった深さを感じます。今回、ヴォーカル録りも、1回録音したのをまるまるやり直しもした、と伺ったのですが。
中村:歌い直しはけっこうやりました。テンポ感とかを色々変えて、微妙なテンポで、いくつ下げてやってみようとか。それで、しっくりはまるテンポ感を探すのにその都度歌ってみて、とかやっていたので、けっこういつもより歌っている感じは多かったかな。歌い込んで歌い込んだ感じ? 一番いいテンポ感を探すのにちょっと苦労した所はありますね。でも、歌っていて気持ち良かったですよ。大地とか大空とかを相手に歌っている気分で、非常に解放感ある気持ちの中で歌っていたので。

●今回、コンセプトとして"風”がシングル全編にあるそうですが、そのイメージは、いつからあったのですか。
中村:これはまぁ、出来上がりでそういうのを感じられたので、後付けに近いです。

●3曲とも、“風”がテーマになっていますが、これは結果としてそうなった?
中村:そうですね。残りの2曲も去年にはあった曲ですし、この「籟・来・也」をシングルで出すという事になって、じゃああと何を入れようという風に選んで、たまたまその選んだ2曲が、後から考えるとテーマは“風”だなぁと。

●AZUKIさんにはそういうコンセプトがあったとか?
中村:いやぁ、どうでしょう。全然バラバラに出来てた曲ですからね。別にこのシングル用に先に録音したものではないし、もともと「over blow」とかも全部あって、「籟・来・也」との相性を考えて選んだだけなので。出来て並べてみて「あ〜、よく見ると“風”つながりでいけるなぁ」と(笑)。

●統一テーマまで後付けって、まるで偶然が必然になってしまうみたいですね。
中村:逆にこういうのって、やろうと思ってもなかなか出来ないでしょう。仮に「“風”がテーマだ」と思ったとしても、いろんな“風”がテーマに挙がるだろうし、それを1曲シングル用に作ろうと思っても、多分煮詰まって出来ないような気がしますね、私は。

●この3曲の“風”は、中村さん的にはそれぞれどんな風をイメージしていますか。
中村:並べてみてのイメージですが、「籟・来・也」はすごい大地のイメージ、力強い風を感じるなぁと思って。「over blow」はすごく心地良い風、耳元をさぁーっとそよいで流れていく軽い風みたいなのを感じていたし、「風の音だけをきいて」は心の中に吹くすきま風、虚構や虚無を感じました。でも、これはまた聴いて下さる皆さんがそれぞれに感じて下さればそれでいいなぁ、とは思います。

●それにしても、不思議な巡り合わせの中からカタチになっていったシングルですね。GARNET CROWってそういう事が多いですよね(笑)。いつもと変わらぬ自分たちのペースで作り続けた中から、デビュー6年目だからという気負いもなく、この作品が完成したんだ。
中村:そうですね(笑)。気負いというのはまったくなく(きっぱり!)

●本当に自然体でやってるんですね。
中村:マイ・ペースはマイ・ペースでやっぱり崩したくないので。5年間という月日の中で自分達が培った土台が徐々に育っていくというのはあると思いますけど。今年からは、種をまいたので、今度はどっしりと根を張って広げる作業の年かなぁ、とは思ったりもしているんですけれどね。でも、まだまだです(笑)。

●では、昨年の5周年記念のプレミアム・ライヴの感想を一言。あれは衣装も艶やかでした。
中村:(笑顔で)楽しかった。いい思い出になりました。あんなに豪華絢爛な場所なので、みんなちょっとキメてみました(笑)。プレミアムと言うからには特別感を出したかったので、普段なかなか出来ないような世界観を表現してみようとトライしてみて、皆さん楽しんで帰って頂けたようだし、評判も良かったので、やった甲斐はあったなと。

●最後に、今年2006年のGARNET CROWはどうなっていきそうですか?
中村:去年オリジナル・アルバムを出せていないので、今年はオリジナル・アルバムが出せればいいなぁ、と思っております。今年の目標は、まずそれでしょうね。

●ファンとしてはやっぱりもっとライヴも期待したいですね
中村:まぁ、ライヴはライヴで楽しいし、やっぱりオリジナル・アルバムとライヴは、自分たちの中での2本柱になりつつあるので、ライヴも大切にしていきたいと思っております。気長に待っていて下さい(笑)。

Valentine Luve REPORT in hills パン工場 -GARNET CROW-
■2月13日(月)、14日(火) G-NET presents Valentine Live 2006
出演 GARNET CROW

【SET LIST】1. 夏の幻 2. flying 3. Mysterious Eyes 4. 夕月夜 5. 未完成な音色 6. 忘れ咲き 7. Sky 8. 水のない晴れた海へ 9. Holy ground 10. クリスタルゲージ 11. Last love song 12. 君の家に着くまでずっと走ってゆく 13. in little time 14. 晴れ時計 15. 夢みたあとで 16. 二人のロケット 17. ブルーの森で 18. 恋することしか出来ないみたいに 19. 僕らだけの未来 20. 君の思い描いた夢 集メル HEAVEN
ENCORE encore-1 籟・来・也 encore-2 スパイラル

 昨年暮れのプレミアム・ライヴ2DAYS(at 大阪市中央公会堂)以来、その動向が注目されていたGARNET CROW。2006年度最初のお披露目が、このバレンタイン・ライヴとなる。MCに導かれて、まずはサポート・バンド・メンバーが登場。続いて岡本仁志が、AZUKI七が、古井弘人が、そして中村由利が次々と登場。ドラマー山口"PON"昌人のカウントに続いてオープニングで披露されたのは爽やかな「夏の幻」。
 本日のメンバーは、赤白チェックのハーフコート姿の中村を除いて、後の3人はラフな黒シャツ系姿。昨年のプレミアム・ライヴの時とは、また対照的なカジュアルな姿で、ライヴ・ハウスの距離感の近さと相まって親近感が湧いてくる。「皆さ〜ん、GARNET CROWのライヴへようこそ。今日はこのライヴ・ハウスが震えるくらい盛り上がって楽しんでいって下さい」中村の第一声から、懐かしめの「flying」「Mysterious Eyes」。さすがにこのメンバーでのこの辺の楽曲は、余裕の演奏とコンビネーション。集まったファンを早速魅了していた。
 「立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒い日々が続きますが〜、段々昼間の時間が12月22日の冬至の時よりも長くなって、ロシアのサンクト・ペテルクブルグではもう3時間以上も長くなっているそうです〜、そんな季節が暖かくなったらこんな景色をまた見てみたいですよね」そんな中村のMCを続けて、AZUKIのピアノが流麗に「夕月夜」のイントロを奏で、今度はしっとりした展開へ。続く2曲もAZUKIのピアノと古井のキーボードのコントラストが彩りをなして、ガーネットのたおやかな音楽観を響かせる。中村の癒しヴォーカルに、会場は心に染み入る静かな感動に包まれていく。
ここで3度目の中村MCはちょっとお茶目に、会場とのやりとり。「私達GARNET CROWは、メジャー・デビューする前にインディーズでも作品を1つリリースしているんですが、次はその中から1曲、皆さんリクエストは?」その問いに「A Crown」「永遠に葬れ」といったリクエストを上手くあしらい、予め予定していた?であろう「Sky」が登場。岡本のアコースティック・ギターの音色も暗く響く叙情的なナンバーは、小さなライヴ・ハウスならではの雰囲気を醸し出していた。続けて「水のない晴れた海へ」「Holy ground」とアルバム収録のマニアック系ナンバー披露も、FC限定ライヴならではの重い楽しみ。じわじわ音楽が浸透していくこのライヴ感は、GARNET CROWの1つの魅力でもある。「続いては、ソロ6年目を迎える岡本仁志さんです!」中村の呼び掛けに、思わずはにかんだ表情で答える岡本、「クリスタル・ゲージ」をひょうひょうと歌いこなしてくれた。そうして中盤からの流れは徐々に明るさとスピードを取り戻して5曲連続。このブロックでの最後は、最新シングル曲「晴れ時計」で爽快に締めくくった。
 さぁ、ここからは後半戦。「夢みたあとで」から徐々に始まり「二人のロケット」でいよいよ盛り上がり、2曲のアルバム・ナンバー・メドレーを経て、やっぱりライヴのクライマックスはこれ! 刺激的なギター・リフと情熱的なサウンドは「僕らだけの未来」。さらに立て続けに、最後はフレッシュな「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」で締めくくれば、さすがにそれまでじっと歌声に耳を傾けていたオーディエンスも拳を振り上げずにはいかなかった。硬軟、静と動のナンバーを巧みに使い分けて繰り出すガーネットならではのライヴ空間は、今年もますます健在なのだった。
そして、アンコール。やっぱり、彼らは新曲をどこよりも誰よりも早く、ライヴのオーディエンスに届けるのを信条としているのだ。今回も、3月1日リリースの新曲「籟・来・也」を初披露。初めて聴くその雄大なサウンド、深い感動を呼ぶ詞の世界観、心震わすその歌声にGARNET CROW6年目の確かなる進化を感じ取った。この楽曲は彼らの名曲の1つに連ねられるのはもはや間違いない。最後の大団円には「スパイラル」が用意されていた。この前半ミディアムからアップ・テンポにチェンジしていく力強いナンバーの、最後のサビをこれでもかと繰り返し、メンバーも誰もが笑顔で我を忘れていく様子は、本当に清々しい余韻を残してくれた。
 昨年は、デビュー5周年で1つの区切りとして様々な動きを見せてくれたGARNET CROW。このFC限定ライブを体験すると、まだまだ彼らの飽くなき音楽への探求心は途切れる事なく、今年も旺盛である事を体感させられた。早くも次の一手を待ち望んでしまいましたよ、僕らは。

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Music Freak MAGAZINE vol.135(2006年2月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.54)

2006年を迎え、現在楽曲制作中のGARNET CROW。ニュー・シングル「籟・来・也」のリリースが決定するなど、新しい情報が入ってくる中、今回は古井弘人さんが、一足先に新曲について語ってくれました。

2006年、第1弾となるGARNET CROWの新作は、エスニック!!
タイトルを初めて見た時に、どんな内容なのかすごく興味がわきました。
エキゾチックなサウンドで神秘的な香りのするこの曲はGARNET CROWの新
たな世界を感じられる1曲になったのではと感じております。

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Music Freak MAGAZINE vol.134(2006年1月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.53)

5周年イベントをしめくくるプレミアム・ライヴも無事終了し、新たな1年を迎えたGARNET CROW。今回は岡本仁志さんが、今年の抱負を語ってくれています。気になるその内容は!?
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
この冬はほんとキビシイ寒さですが皆様いかがお過ごしでしょうか?
私どもGARNET CROWは5周年の年を終え、2006年がまた新たな一歩を皆様と共に踏み出せること大変嬉しく思います。
やはり年始ということで恒例の抱負ですかね。
どれか達成出来るように数打っときます。

 1.夜型生活からの脱却。昼型にシフトチェンジ。
 2.“家の鍵かけたっけ?”と無駄にエレベーターを往復させない。
 3.やたらに「微妙」という言葉を使わない。
  便利な言葉だが、逃げに使ってはイカンという事で。もっと「絶妙」な表現力を!
 4.既にメガネをかけているのでに誤ってメガネをかけない、探さない。
 5.返事の「はい」は一回!
 6.炭水化物のドカ食いはやめる。
 7.来年の今頃“去年の抱負何いったっけ?”とならないように、
  以上の抱負を述べた事自体を覚えておく。

GARNET CROW premium live〜happy 5th anniversary〜2005.12.17 at 大阪市中央公会堂

LIVE REPORT!!

2005年12月16日、17日の2日間、デビュー5周年記念最後の締めくくりとしてGARNET CROWが行った完全招待制のライヴ at 大阪市中央公会堂。その華麗なるライヴの模様を誌上レポート!(TEXT BY SAI SAIDA)

 寒風吹きすさぶ12月の夜にそれは行われた。完全招待制、800名×2日間、合計1600名しか参加出来ないGARNET CROWのライヴ。場所は、大正時代に建てられたネオ・ルネッサンス様式の歴史的建造物でもある大阪市中央公会堂。周囲もクリスマス・イルミネーションで彩られ、プレミア感を高められる中、会場に着くとまずはゴージャスな座席チケットが手渡された。さらに中に入ると、確かにそこは日常とかけ離れた心奪われる空間。左右に大理石の円柱が立ち並び、頭上にはシャンデリア。ステージは赤いビロードの緞帳が降ろされている。そして、流れるBGMは室内楽。レトロ感いっぱいの外観、内装、雰囲気も、今宵行われるガーネットのライヴ・イメージに相応しい。
 いつものホールと違って囁き声も響く深い喧騒の中、18時ジャストにライヴはスタート。デビッド・C・ブラウンのドラム・カウントが響き、スルスルと上がった緞帳の向こう側にお馴染のガーネットとバンド・メンバーの姿が、と思いきや、まずはそのきらびやかな姿に目が奪われた。男性陣はすべて黒のスーツ(キーボードの古井弘人は黒スーツに白シャツ、ギターの岡本仁志は白シャツ黒ネクタイに粋なハンチング帽)、そして女性陣、センターのヴォーカル中村由利は黒のベロアのジャケットにピンクのフレア・スカート、髪はおおぶりなカールが施されている。そしてキーボードのAZUKI 七は、胸元の開いた黒のロング・ドレス姿で登場。まるで、それは中世の王侯貴族を思わせる装い。まばゆい照明に浮かび上がる姿は、ため息が出るほどに美しい。
 視線がステージに釘付けにされる中、聴こえてきたのは「Mysterious Eyes」。初期の名作を落ち着いた演奏で締めて、さぁいよいよ神秘のステージの始まりだ。
 「皆さん、GARNET CROWのプレミアム・ライヴへようこそ。デビュー5周年という節目の年の締めくくりに、この様なライヴを行えて本当に嬉しく思っています。今夜は私達も精いっぱい頑張りますので、最後まで思いっきり楽しんでいって下さい」
 中村の一言に続いては、ますますオーディエンスを別の世界にいざなう「flying」、そして「夏の幻」のアコースティックな響きが陶酔を運んでくる。さらに追い討ちをかけて続くMC。「レコーディングの帰りにこの建物を見に来て、そこに浮かんでいた月との対比があまりに神秘的で、そのイメージを皆さんにもと思い、幻想的な曲を何曲か……」と前置きして「Timeless Sleep」「夕月夜」「未完成な音色」と続けた3曲はガーネットのダーク・サイド系の代表曲。前半からこのヘヴィでペシミスティックな感触に呑み込まれた茫然自失の輩多数。立ちすくむのか、うずくまるのか、スクリーンに映し出される歌詞の一言一句に感情が震わされる。そのまま深く「水のない晴れた海へ」へ沈み込み、そして「Holy ground」。最後の中村の崇高なファルセットで昇天させられるまでの十数分間、ここはちょっと神がかり的な時間の流れが会場を支配していた。
 そんな流れを和らげるべく、中盤では、ソロ・デビュー5周年を果たしたギターの岡本仁志が「皆さんのお口よごしに……」と「クリスタル・ゲージ」をおおらかに歌い、続く「call my name」〜「永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら」の3曲では、牧歌的でおだやかなGARNET CROWの世界観が提示される。このブロックはさしずめオーケストラの第2楽章といったところか。それにしてもガーネットの楽曲の明暗の振り幅は広い。それはまるで人間の一生を描いているようだ。そんな事を考えさせながら、ライヴは後半へと向かっていく。
 「今年一年はどういう年でしたか?」との中村の問いにメンバーが答えていくMCコーナーは、各自の個性が窺えた貴重な瞬間。4人の生真面目な対応に、GARNET CROWの誠実な音楽性の原点を垣間見た。
 そうして、続いては彼らの楽曲の中でも人気の高い「夢みたあとで」。回り出したミラーボールの照明効果の美しさにも目を奪われたが、ふとどうした事か、曲中で感極まった中村の歌声が一瞬止まってしまった! 涙ぐむ彼女を温かく包み込んで続けられる演奏、このアクシデントは、逆にバンドとしてのGARNET CROWの一体感を見せられた思いで感激的な一幕だった。
 続く「千以上の言葉を並べても...」からは中村の声も見事に復帰、最新曲「晴れ時計」、力強い「二人のロケット」情熱的な「僕らだけの未来」、そして無限の可能性を感じさせる「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」とボルテージをいっぱいに引き上げ、クライマックスを本編最後まで続かせる流れはまさにフォルティシモの響き、圧巻だ。そして、最後に何度も"ありがとうございました"と客席に向かって呼びかける中村と笑顔で応えるメンバーの清々しき姿、このバンドを5年間応援し続けてきて良かった、とオーディエンスが心から思える瞬間だった。
 割れんばかりのガーネット・コールに導かれてスクリーンにはシングル・ヒストリーの映像が……。その最中に再び登場したメンバーが披露したのは耳慣れない楽曲。それはこの夜のために作り上げられた新曲「春待つ花のように」。この曲もいつしか彼らの名曲の1つに育っていくのだろう。
 「シラーは“人生は退屈すれば長く充実すれば短い”と言いました。今夜は何だか時間があっという間に過ぎてしまいました。〜 この5年間みなさんに励まされ続けてここまで来ました。来年からもよろしくお願い致します!」
 中村の言葉の後に「Last love song」が、そして、最後の最後に「スパイラル」がじっくりと、勢いよく演奏された。名残を惜しんで何度もリフレインされる最後のフレーズ。全てが終わった時、会場にはきらめく光が満ちていた。緞帳がいったんメンバーを隠し、再びカーテンコールの拍手と共に引き上げられ、下がるその刹那に感じた幸福感、それはきっと、そこに集った全ての人達に降り注いでいたに違いない。
 この日、僕は“真冬の夜の夢”の存在を知った。

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Music Freak MAGAZINE vol.133(2005年12月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.52)

ニュー・シングル「晴れ時計」をリリースしたGARNET CROW。
5周年イベントをしめくくるプレミアム・ライヴを間近に控え、今回はAZUKI七さんが最近の日常について語ってくれています。

こんなの同じヒト科の造詣じゃなーーい!ネコ科?
チーターですか?……とアダム・クーパーのビデオをみながら、ご飯を食べる今日この頃。
そりゃぁこんな方がポツポツといるお国柄なら彫刻も彫るでしょうに。
細やかな柄の調度品も似合うでしょうに…。
あーゆぅしなやかな身体、骨組であっても、肩こりとかするのでしょうか?
肩こりといえばですね、ちょいと街中に出ると、至る所にマッサージ屋さんがあります。
指圧.整体、骨盤矯正、灸.針、リンパドレナージュ、デトックス、アロマ、カイロ、リフレ、リラク……。
何が何だかわけが分からなくなってきます。確実にCD屋さんよりも多いです。
いったい何がどう違うのか1度はっきり知りたいと思い、
先日各お店の前にある案内書のようなものを集めて回ってみました。
何件かはお店の方が直接説明して下さったりしてなかなか楽しい1日でした。
で、その中の1軒で試してみますか?と言われ、恐る恐る……ホントーに恐る恐る……1本だけ針を刺してもらいました。あまりに緊張して、針をさす為に肩こりしちゃいそうだったんですが、
結果ぜーんぜん痛くなかったです。でも、やっぱまだ怖いので、1本で帰ってきましたー。
注射は平気なのになぁ……。

 今年は、デビュー5周年で様々な5周年企画が続いていたGARNET CROW。その最後を飾るプレミアム・ライヴが12月16日、17日の2日間、大阪市中之島にある中央公会堂で行われる。今回はそのライヴのリハーサル風景をほんの少し覗いてみた。(TEXT BY SAI SAIDA)

 ■11月21日(火)リハーサル日<初日>
 この日、リハーサル・スタジオにはヴォーカル中村由利を除くメンバー3人とお馴染みのツアー・サポートメンバー、大賀好修(G)、岩井勇一郎(AG)、大橋雅人(B)、デビッド・C・ブラウン(Dr)が集結。かつて知ったる仲間が再び集まった気兼ねないムードの中、リハーサルは始まった。 まずはウォーミング・アップも兼ね「Mysterious Eyes」でサウンド・チェック。モニターの音量やバランスを各自が演奏しながら調整していく。1度通して演奏した後、申告制で制作チームに音の指示を出す、こちらもいつものメンバーであるせいかコミュニケーションはスムーズだ。
 この日のリハーサルは、1曲ずつアタりをつけるという事でざっと通して頭の曲から2回ずつ演奏していく。驚いたのは、すでに初日にしてある程度のセット・リストが組まれていた。これを見るとその豪華な選曲にライヴ当日への期待感が募る。それに、演奏の方はといえば、さすがいつものバンド・メンバー。久し振りとは思えないそのコンビネーションの確かさで、リスペクタブルな音を初日にして鳴らしていた。これでさらに微調整を繰り返してライヴ用に完璧な演奏を目指して煮詰めていくのだ。各メンバー間では、大げさな会話が交わされるでもなく、リハーサルは淡々と進行。静かなる躍動感をもって初日のリハーサルは終了した。

■11月24日(木)リハーサル日<2日目>
 この日のリハーサルは、ライヴ中盤で披露されるピアノの音色の美しいナンバーから。本日も相変わらず静かな佇まいの中始まったけれど、今日はかなりサウンド面での細かいやりとりも……。監督役はキーボードの古井弘人。ライヴ・アレンジの流れや方向性を簡潔にメンバーに説明していく。彼らのやりとりを聞いていると、ちょっと聴いただけではオリジナルと違わぬように聴こえている演奏も、実は微にいり細にわたったライヴ仕様に変更されているようだ。「今の(演奏)はみんなのアクセント・ポイントがファジーだったから、ポイントを頭に置いて、もっとプッシュ感を出すようにしようよ」古井は完全に曲の全体を把握し、各メンバーの意見をまとめながら全体のサウンドの流れをまとめていく。リズム隊はブレイク・ポイントを合わせてみたり、ギター・チームは音色やアンサンブルについて、短い会話を交わしながら仕上がりのイメージをつかんでいく。岡本仁志はうつむきがちの姿勢でギターをつま弾いている。AZUKI 七は静かな存在感でピアノの音色を響かせている。何が大げさになるわけでもない進行の中で繰り広げられるタイトな演奏は、プロフェッショナル集団GARNET CROWのイメージそのままだ。ドラマティックな本番に向けてのプレリュード。まだ、これからリハーサルはあと数回続けられる。このサウンドに中村由利のヴォーカルとコーラス隊がさらに加わって完成した時、どんなサウンドが打ち鳴らされるのか? 最初のリハーサル2回ではその詳細はまだまだ掴めないが、現状のサウンドの完成状態と内容からいって、集まったオーディエンスを喜ばせる事は間違いない。来月号の本番ライヴ・レポートを是非期待していて欲しい。

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Music Freak MAGAZINE vol.132(2005年11月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.51)

初のベスト・アルバム GARNET CROW 『Best』を発表、そして息つく間もなくニュー・シングル「晴れ時計」を11月23日にリリースするGARNET CROW。5周年を記念するアイテムがどんどん発表される中、今回は中村由利さんが最近の日常について語ってくれています。

皆さんこんにちは。5周年YEAR、目下驀進中の私達ですが、ついに最強の5周年記念アイテムその名も『Best』がリリースになりました! 私達の5年間の軌跡をたっぷりと詰め込んだずっしり重いアルバムです(実際重いです・笑)。あれもこれもと詰め込んでいくうち、2枚組になりBOXが付き、ブックレット写真集も気付けば100ページを超え、間にライナーノーツを挿み込み、カレンダーも作ってみたりして遊びを取り入れつつ、さらに5周年記念プレミアム・ライヴも開催しようという、一言では息が続かない前置きのなが〜〜〜いアルバムになりました! そしてこれで終わりかと思いきや、11月23日にはニュー・シングル「晴れ時計」をリリースするという元気な私達であります! こちらの曲はベストアルバム・リリース後という事もあり初心に返り、自分達を見つめ直そうという想いもあり、初期ガーネットをを思わせるナチュラルなサウンドに仕上がりました。晴れた気持ちの良い空、空気、広い自然の中で思いっきり深呼吸したくなるような元気ソングです。ぜひベスト・アルバムと共に聴いてみて下さいね。ちなみにベスト・アルバムはお店によって、その場で抽選でポスターやブロックメモ、缶バッチなどが当たったそうです! ブロックメモはちょうど覚え書きするのにぴったりな絶妙な大きさで私も愛用しています。あとポスターAタイプの私のソロ・ショットがお気に入りです☆ そしてライヴ応募もお忘れなく(^_-) それでは12月ライヴでお会いしましょう!

New Single 「晴れ時計」 11.23 On Sale !!

10月にデビュー5周年記念ベスト・アルバム『Best』をリリースしたばかりのGARNET CROWが、早くもニュー・シングル「晴れ時計」を11月23日にリリース。相変わらず気負いのないガーネットらしい世界観を持ったこの作品について、ヴォーカルの中村由利が語ってくれた。今回はベスト・アルバムに関する話も改めて聞く事ができたので、シングルのインタビューと併せてお届けしたい。(INTERVIEWED BY SAI SAIDA)

●今回のベスト・アルバムは、本当に豪華な内容ですよね。
中村由利(以下中村):シングルは全部もちろんですけど、アルバムの人気曲も、あと私達のアルバムには今までシングルのカップリング曲を入れてこなかったんですけど、今回のベストにはそのカップリング曲で人気のある曲も数曲入れてます。それもライヴで歌って評判の高い曲。
●選曲も大変だったんじゃないですか?
中村:そうですね。まずベストなので、当然シングルは絶対入れていくというのがあって、じゃぁ、あと何入れるってなった時に、じゃアルバム曲で何曲か入れたい、あとカップリングからも何曲か入れたい、あとまぁ未発表曲もね、というのでかなり苦戦はしましたけれども。“何曲入りますか?”という交渉から(笑)どれくらいまでOKなかというので、まぁほんとにギリギリ入るだけ入れたというか。
●これはひょっとして選に漏れた曲もある?
中村:そうですね(笑)。
●ヴァージョン違いの収録曲とかも細かい配慮ですね。
中村:まぁ、ちょっとアレンジ違いで、ライヴでもそっちでやってる曲があるので。ただ単に全部シングルを入れちゃうというか、余りにも昔出した音源だけで全部組んでしまうのもちっょとどうかなというものがあったので。その辺は今までの作品を全部持っていて聴いていて下さる方もいらっしゃるだろうし、そんな方にもちょっと楽しんで頂けるように。あとは未発表曲。今年のライヴ・ツアーで歌った曲なんですけども、すごく皆さんから好評を頂いて、音源化してほしいというお声も頂いたので、じゃぁということでレコーディングをベストのために新たにして、収録しました(「さよならとたった一言で…」)
●あと、ガーネット・チームで岩田さゆりさんに提供・制作した「空色の猫」のセルフ・カヴァーも嬉しいですね。
中村:今回そういう取り組みも初めてでしたね。GARNET CROWを初めて聴かれる方はシングル曲から聴いて頂けたらいいし、今までのファンの方にも、シングルだけじゃなくて、セルフ・カヴァーも入っていたら喜んでもらえるかなって。「空色の猫」と「さよならとたった一言で…」はそういう感じで入れました。単なる寄せ集めみたいな感じにはしたくなかったんです。
●手間と時間が掛かってますよね?
中村:かなり、吟味して吟味して作り上げたベスト・アルバムなので、これは是非とも聴いて頂きたいですね。GARNET CROWの世界を知る上ではなくてはならない曲ばかり入っているので、“GARNET CROWってどんなの?”って聞かれた時に“じゃあ、とりあえず、これ聴いて”って言える1枚が出来たなと。名刺代わりと言うか、まずここから入って頂いて“あぁ、この曲好きだな”って思って頂いた時に、“あっ、これってどんなアルバムに入っているんだろう?”って、各アルバムに散って、よりディープな世界に入って頂けたらなと。アルバムによってかなりカラーや雰囲気が違うので、またそれぞれに好きな、より深いGARNET CROWの世界を好みで見つけてもらえたら嬉しいなと思います。
●それにしてもシングル曲、全部18曲入れてしまうなんて、思い切りましたね。
中村:ベストと言うからには変になにか抜くのもおかしいでしょ。それで、全部入れてしまうとやっぱり2枚組になってしまうので、だったらもう2枚組でガツンと収録してしまいましょうと。でも、選ぶのはすごく楽しかった。パッケージも含め、写真集をどうするとか、あと初回盤ではライヴの応募券とカレンダーが付いているし、カレンダーも今まで作った事がなかったので、“じゃぁ喜んでもらえるかな?”というので付けたり。その辺、パッケージのアイデアもメンバーの意見がかなり入っていますね。私なんかは言いっ放しなんですけど(笑)。でも、何とかスタッフの皆さんが形にしてくれて、ライナー・ノーツとか曲の説明も全部入っているし、本当に辞書じゃないですけど、一家に1枚のアルバムになりました。
●GARNET CROWが5年間頑張ってきた集大成と言えますね。
中村:今回初めて、5周年という機会で振り返ることが多くて、曲とかも一覧で見る機会が多かったので、そう見た時に“こんなに曲ってあったんだ”って。今までは全然そんな意識はなく“5年間って早いな”っていうぐらいに思ってたんですけど、作品の量で見ると“あぁやっぱりかなりの量を残してきたんだな”って言うのはちっょと驚きました(笑)。自分では全然実感はなかったんですけど、改めて振り返れて良かったなと思いますね。
●まだまだ作っていく訳ですね。
中村:はい、止まりません。一家に1枚です。宜しくお願いします。
●そして「晴れ時計」は、デビュー5周年の記念としてリリースされたベスト・アルバム直後のシングル曲になる訳ですが、本人達的には気負いの様なものはありませんでしたか?
中村:いやいや、全くないです。言われなければ、5周年も分からない位で今年はきましたので(笑)。それに、制作に関してはベストが出たからといって、そこで進行が止まってしまうというのはなかったので、いつも通りの楽曲制作をしつつ、今年はそれにプラス・アルファの5周年記念ものが並走していったみたいな感じ。いままで通り制作してきて、曲が出来たので、じゃぁシングル切りましょう、という、私達にとってはすごく自然な成り行きというか。
●相変わらずの制作スタンスの結果であると。
中村:そうですね。結果そうなったという感じ。どちらかというと、ベストの方が特別なものというか、今年に入って5周年の写真集が出て、DVDが出て、そして、ベスト・アルバムという気分があるので、自分達としては5周年もののリリースの方が特別。“それはそれ、これはこれ”という感じです。
●普通、5周年の後の作品というと、区切りをつけたので、新しい事やろうとか、もうちっょと変わったり、時間かけたりというがありますが、ガーネットの場合はその辺のスタンスが通常のアーティストと違いますね。
中村:変わらないスタンスというか、逆にそれが変わってしまったらカッコ悪いだろうという風にも思っていたので。ベストが出たから次のシングルは全然方向が違うとか、ものすごく力んでいるみたいに思われたら、すごくそれは恥ずかしいなと。それに、せっかくベストを聴いて、例えばGARNET CROWの世界は“あ、こんな感じなんだ!”って分かって下さった人が、次のシングルを聞いて“なんだ、全然違うじゃん”って思われるのも嫌だったし、やっぱりどこかで「晴れ時計」のイントロを聞いたら“あっ、ガーネットっぽい”っていう感じに思ってもらえたらいいなと思って。
●確かに「晴れ時計」は、まさにガーネットの明るい感じっぽい曲ですよね。
中村:これは、シングルの最終候補で何曲かが挙がっていた中の1曲。今回もまた「メルヘヴン」のオープニングという事で気に入って頂いたので、だったら、この曲でいこうみたいな。
●前作シングルに続いて「メルヘヴン」のテーマ曲ですが、そういう発注があって決まった曲ではないんですね。
中村:そうではなくて、楽曲にもう詞も付けてあったものですね。
●一聴すると、すらすらっと肩の力の抜けた曲のように感じたんですが、結構リピートの効くナンバーに仕上がってますね。
中村:そうですね。自分で言うのも何ですが、何回聴いても飽きない曲だなと(笑)。いまだに自分達でも聴き飽きませんね。
●この曲に対する本人達の思い入れやレコーディングの聴き所は?
中村:サウンド的には初期ガーネットを彷彿させるようなナチュラル・サウンドでいったかな?という感じはあります。古井さんも、昔の初心に戻るじゃないですけど、始めの頃に戻った気分でアレンジした、みたいな事を言ってました。
●「晴れ時計」とは印象的なタイトルですが、これはまたAZUKIさんがすっと書いたものだったんでしょうか?
中村:これも作詞とアレンジ同時進行でいった曲だと思いますね。いつも通り、何にも言わなくてもこういうタイトルと歌詞とアレンジが出来上がってくる感じ。
●レコーディング自体もサクサクっと?
中村:そうですね、いつものように1曲1曲丁寧に仕上げていった中で出来てきた曲。とりわけ5周年のとか、ベスト明けの曲という意識はなかったです。もちろん、シングルという事で選びはしましたけど、違った事をしようとか挑戦しようという事はなくて、あくまでマイ・ペース。自分達の世界を大切に、壊さないように仕上げていきました。
●GARNET CROWが5年間続けてきた、変わらない良さみたいなものがこの曲にはにじみ出てますね。
中村:そうですね。変わらないというのもずっとテーマというか、変わるのは簡単だけど、変わらないで自分達も飽きないでリスナーの皆さんも飽きさせないでずっといるのは一番難しい事なんですけど、あえて自分達はそれに挑戦したというか。やっぱり、変わらないでいたいし、統一したガーネット・ブランドみたいなのを確立させたい。“あぁ、ガーネットぽいね”っていう世界が、メジャー系の曲にしろバラードにしろ、どこかでそのGARNET CROWらしさみたいなものが出来てくればいいなと思いますね。
●ファンは安心しますよね。“こうでなきゃね”っていう事で。それに、ベスト盤が出たすぐ翌月にニュー・シングルが届くのは嬉しいはず。またこの収録曲3曲もみんないい感じで、また違った色を出してますよね。例えば2曲目の「たとえば12月の夜に」これまた季節感いっぱいのタイトルといい歌詞といい、いい曲ですよね。
中村:大好きな曲です。カップリングに入れようか、お取り置きにしようかずこく迷ったんですね、実は(笑)。それ位にお気に入りな曲でして、でもまぁ12月とタイトルにもあるし、歌詞の雰囲気にしても季節もわりと限定された内容だったし、ちょうどいいかなって。しかも「晴れ時計」がメジャー系のカラッとした曲だったので、だったら逆に対称的なクールでカッコいいマイナーな、自分達まこれまた得意な方向でいってもいいかなと。今までGARNET CROWを好きで応援して下さった方とかは、たまらないんじゃないかな(笑)。
●メジャーとマイナー系、どちらもガーネットならではの世界観がありますからね。こちらは古井さんのアレンジもクラブ系な感じで、ヒネリが効いてますよね。
中村:わりとこういうのもガーネットの世界にはあるんですけどね。
●この曲は、作詞者AZUKI七さんは何かコメントは?
中村:これはもうメロディそのままの印象って言っていて、でもメロディに引っ張られてそのまま出すよりは、何かヒネッてやろうとか思ったらしいけど、やっぱりそのまんまが一番しっくり来るみたいで。で、誰かが何かヒネッてくれないかなと思っていたら、古井さんがサウンドでヒネッてくれたから“よっしゃ!”っていう感じだったみたい。
●ガーネット・ファンならではの楽しみである、歌を聴き、サウンドを聴き、歌詞を読みというね。
中村:そうですね。3つオイシイ楽しみ方で。
●そして、3曲目の「CANDY POP」これはまた面白いシングル中の小品と言うか楽しい感じに仕上がっていますね。
中村:2曲目がわりとコーラスも分厚くて結構しっかりしたサウンドでもあったので、3曲目はちょっとライトなイタリアンとかをしっかり食べた後のシャーベットみたいな、お口直しでちっょと頂こう、みたいな感じにしてみました。
●70年代のフォークな感じが出てますけど、これはそういうメロディが中村さんの中から出て来たんですか?
中村:そうですね。ちょっとアコースティックな感じで。わりとこれは本当に歌も張ってないし、高いところもファルセットで普通に抜けてるし、サウンドもそういう風にライトでいい具合に抜けたかなと。
●歌詞の世界にしても、70年代の歌詞ですよね。
中村:かわいいですよね!
●エンディングの終わり方といい、たまりませんね。
中村:そうですか(苦笑)。エンディングはアコーディオンで最後のリードを弾いてるんですけど、最初は口笛がいいなと思って、自分で口笛で録音してみたんです。でも、ちょっとイメージが違ってて、それで色々リコーダーとか候補があった中でのアコーディオンで落ち着いたという。
●色々やっぱり試してるんですね。
中村:思い立ったらやって、あっだめだ、で止めて、こういうことはしょっちゅうです。
●やはり変わらずなGARNET CROWのレコーディングですね。月日は流れていくけれど、制作のスタイルは変わってませんね(笑)。
中村:変わらないです(きっぱり)。変われないし、換わらないと思います(笑)。
●4人の雰囲気やビジュアルもそのままで……。
中村:そうですね、あんま変わらないですね。
●メンバー間のスタンスも変わらないですよね。
中村:やっぱり一番やりやすいんでしょうね、今の感じが。精神的にも一番楽なスタイルというか、今の制作スタイルをあえて変える必要もないし、っていう感じです。
●そしてそんなGARNET CROW、12月にスペシャル・ライヴがあるという事で、大阪中之島公会堂、これもまた雰囲気のある場所ですね。
中村:古い大正時代の重要な建物で、雰囲気に飲まれないように、色々と考えてますけど(笑)、是非皆さん来て欲しいですね。
●完全招待制ライヴなので、熾烈な競争になりそうですね。
中村:こういう形式のライヴは初めてなので、ちっょと通常のライヴとどう違うのかも分からないのですごく楽しみ。
●何か色々お考えですか?
中村:まぁ、色々と……。はい……色々です(笑)。
●実際こうして、色々な形がポンポンと出てきますと、ファンとしては気の早い話ですが、もう次のアルバムに期待してしまうんですが……。
中村:やっぱり、今年はオリジナル・アルバムを出さなかったので、来年はぜひオリジナル・アルバムを早い段階で聴いてもらえるといいなと思っています。
●止まらずに何かしら出し続けて欲しいですね。
中村:コンスタントに作品がリリース出来てるっていうのは本当にありがたいなと思います。やっぱりそのままのスタイルを崩さないでいい曲をいっぱい出してしければいいなぁ。
●その辺はメンバー全員の総論みたいな所はありますね。
中村:もちろんそうですね。4人ともそういう風に思っています。それプラス、今年は5周年が乗っかってきたという感じでしたね。
●ガーネットはファンの皆さんにも持続率が高い熱心なファンが多いようです。では、最後にそんなファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
中村:皆様のおかげでめでたく5周年を迎えまして、そしてベストアルバムリリースという今年は嬉しい限りの年だったんですけれども、これからも、これにおぼれずに頑張っていきたいと思いますので、変わらぬ応援よろしくお願い致します。

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Music Freak MAGAZINE vol.131(2005年10月)
GARNET CROWの「word scope in M.F.M」(vol.50)

初のベスト・アルバム GARNET CROW 「BEST」を10月26日にリリースするGARNET CROW。新曲の発売も決定するなど嬉しいニュースが続く中、今回は岡本仁志さんが最近の日常について語ってくれています。

朝晩だいぶ涼しくなってきまして、秋な感じですね。秋といえば秋刀魚でしょう。
日本で生まれて良かったと思える事の1つです。

★★★★★最 近 の 主 な ト ピ ッ ク★★★★★

1.5周年のGARNET CROW、初のベスト・アルバムが出ます。パンパンパァーン!!心
底多謝。いつもベストを尽くしているつもりですし、内容も盛り沢山なので“スペシャ
る・アルバム”と呼びます。

2.阪神、現在M11! この号が出る頃にはもう決まってるかも知れない。商い人や分析
家のそろばんの音がします。にわか心に灯をつけて祭り待機中。そうだ今のうちに川の
水抜いとけ〜!

3.家の隣の建物が派手に工事中。しかーも古そうなビルヂングっ!! おいっ大丈夫か!
石綿飛んでないか! 気になるので窓も開けられんよ。

本誌8/10号(Vol.129)で募集した“GARNET CROW5周年読者アンケート”に寄せられたGARNET CROWへの質問の中から、編集部がピック・アップしたものをメンバーに答えて頂きました。気になる質問と回答は以下の通り。

中村由利 -Yuri Nakamura-

●5年間の音楽制作の中で、面白いエピソードや信じられないハプニングがあったら教えて下さい。
 TV出演の時、新幹線に乗り遅れて1時間程度遅刻した。

●GARNET CROWの曲で一番好きな曲、思い入れのある曲は何ですか?
 思い入れのある曲→「夢みたあとで」
 好きな曲→「未完成な音色」

●GARNET CROW、またはメンバーを漢字1文字で表すと何ですか?
 ・GARNET→紅   ・CROW→烏
 ・古井弘人→師  ・岡本仁志→匠
 ・AZUKI七→吟

●各メンバーから見た他の3人の印象を教えて下さい。
 ・古井弘人→剛 ・岡本仁志→柔 ・AZUKI七→活

●今の仕事以外にやってみたい仕事はありますか?
 カフェ

●もしもタイムマシンがあるとしたら、過去と未来、どちらに行きたいですか?
 ・過去→紫式部、清少納言と対面したい。

●もし動物になれるとしたら何になりたいですか?また、その理由は?
 ・鳥→大空を自由に飛び回りたい。

●最近ハマっている事があれば教えて下さい。
 オーガニックコットンのシーツとか布団で寝る事。

●携帯電話の着メロは何ですか?
 ダンシング・クイーン

●1ヶ月間休みがあるとしたら何をしますか?
 旅行

●旅に出るなら何処に行きたいですか?
 オーロラが見たいです・

●10年後、どんな生活をしていたいですか?
 今と同じ音楽生活

●5周年を迎えて、これから挑戦してみたい事はありますか?
 12月にライヴを控えているので、今までのライヴとは一味違った構成、演出に挑したい(挑みたいの間違い?)ですね。

AZUKI七 -Nana Azuki-

●5年間の音楽制作の中で、面白いエピソードや信じられないハプニングがあったら教えて下さい。
 音楽番組収録の日、ゆりっぺだけ移動の電車に乗ってなかった。びっくりした。

●GARNET CROWの曲で一番好きな曲、思い入れのある曲は何ですか?
 これは……選べないです。

●GARNET CROW、またはメンバーを漢字1文字で表すと何ですか?
 ・GARNET CROW→御輿

●各メンバーから見た他の3人の印象を教えて下さい。
 三人共よく怪我や病気してはるなー。

●今の仕事以外にやってみたい仕事はありますか?
 何だってやってみたいです。

●学生の頃の夢は何でしたか?
 ヨーロッパで絵描き。

●最近ハマっている事があれば教えて下さい。
 イギリスの作家の小説

●携帯電話の着メロは何ですか?
 携帯電話を使い出して今まで一度も呼び出し音を変えた事がないです。
 そして常にマナーモードです。

●1ヶ月間休みがあるとしたら何をしますか?
 ヨーロッパの田舎の緑が濃く空気のいい所で読書三昧。

●旅に出るなら何処に行きたいですか?
 可能な限り世界中をくまなく。

●10年後、どんな生活をしていたいですか?
 時計のいらない生活。

●5周年を迎えて、これから挑戦してみたい事はありますか?
 思案中です。

岡本仁志 -Hitoshi Okamota-

●GARNET CROWの曲で一番好きな曲、思い入れのある曲は何ですか?
 たくさんありますが「mysterious eyes」、「夢みたあとで」などですかね。思い入れのある曲です。

●GARNET CROW、またはメンバーを漢字1文字で表すと何ですか?
 GARNET CROW→和

●各メンバーから見た他の3人の印象を教えて下さい。
 ・中村由利:歌姫。当然エースストライカーですね。チーム全体が盛り上がります。
 ・AZUKI七:不思議なオーラ出てます。トップ下のファンタジア。
 ・古井弘人:頼れる男。攻守の要。中盤の底でゲームを組み立てます。

●今の仕事以外にやってみたい仕事はありますか?
 ジェット機の運転。

●もしもタイムマシンがあるとしたら、過去と未来、どちらに行きたいですか?
 未来、おったまげるようなスゲーものを現在に持ち帰るため。

●学生の頃の夢は何でしたか?
 モテモテのロックスタア

●もし動物になれるとしたら何になりたいですか?また、その理由は?
 鳥。空を飛ぶ夢をよく見るから。

●最近ハマっている事があれば教えて下さい。
 はちみつ黒酢

●携帯電話の着メロは何ですか?
 HUEY LEWIS & THE NEWS/The Power of Love

●1ヶ月間休みがあるとしたら何をしますか?
 旅行、釣り、食べ歩き、映画三昧など

●旅に出るなら何処に行きたいですか?
 極端に寒く暑くないとこなら何処でも。

●10年後、どんな生活をしていたいですか?
 笑って過ごしたい。

●5周年を迎えて、これから挑戦してみたい事はありますか?
 良い音楽を作り続けること。

古井弘人 -Hirohito Furui-

●5年間の音楽制作の中で、面白いエピソードや信じられないハプニングがあったら教えて下さい。
 デモを聴いてアレンジと詞を同時に作る時があるんですが、内容を見せてもらって“おう!!これってオケの雰囲気にぴったりかも”って打ち合わせもしてないのにとびっくりさせられる事は何度もありましたね(笑)

●GARNET CROWの曲で一番好きな曲、思い入れのある曲は何ですか?
 一言では語れませんね……。

●GARNET CROW、またはメンバーを漢字1文字で表すと何ですか?
 ガーネットは“響”とか……。

●各メンバーから見た他の3人の印象を教えて下さい。
 ・由利さん=努力家
 ・七さん=行動派
 ・仁志くん=自宅派

●もしもタイムマシンがあるとしたら、過去と未来、どちらに行きたいですか?
 ちっょと将来をのぞいて対策でもしましょうか(笑)

●学生の頃の夢は何でしたか?
 ミュージシャンが夢でしたね。

●携帯電話の着メロは何ですか?
 インターナルの音楽ですね。

●1ヶ月間休みがあるとしたら何をしますか?
 最近はいろいろな勉強をして人間的に大きくなりたい気分ですね(笑)

●旅に出るなら何処に行きたいですか?
 行ったことの無いところならどこでもOKデース!!

●10年後、どんな生活をしていたいですか?
 10年後もバリバリやっていたいですね!!

●5周年を迎えて、これから挑戦してみたい事はありますか?
 さらに良い作品を作りたいです。


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